小説『永遠の月光』
作者:銀の雫()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>


標的11「GW・修行来る!」






















五月一日。

今日から天空は修行の総仕上げに取り掛かった。






朝から向かった先は、長野県のとある山。
そこは観光客はもちろん、地元の人間ですら入らない秘境。
ゆえに、誰にも邪魔されずに修行をするにはもってこいの場所だった。



体慣らしの為もあり走って山を登ってゆくと、
しばらく行ったところに少し開けた場所があった。


天「ちょうどいい広さだし、ここにテント張ろうっと♪」



















〜一時間後〜


テントを張り終えた天空は、そこから少し離れた場所に腰を下ろし、
座禅を組んで目を閉じた。


彼女が習得しようとしているのは、『気配を読む力』。
最終目標は、気配で誰なのか区別ができるぐらい。


…ちなみに今までは、並盛山で武器の扱い方と精神修行を行っていた。
武器の電圧を調整したり、滝に打たれながら精神統一したり、
木の上で精神統一したり、崖っぷちで精神統一したり…


…要するに精神統一ばかり行っていた。


多少ぶっ飛んだ内容のものもあるが、そこは気にしない方向で。  おいっ! by作者










余談はさておき、天空は自然の音に全神経を集中させる。











・・・感じる。


木々の揺れる音。


サルの群れが木の実を食べる様子。


イノシシの親子が駆けまわっている姿。


クマが爪を研いでいる様子。


川の流れる音。


その中で泳いでいるたくさんの魚。




















――――この山に生きる者たちの鼓動を。









天空はおもむろに立ち上がると、今来た道を戻り始めた。
























―――目を閉じたままで。






























〜二時間後・テント前〜



天「ふう…な、何とかなった…」


天空が修行していた場所はテントからあまり遠くない距離にあったのだが、
目隠しをして戻る途中、サルの群れの大移動に巻き込まれたり、
イノシシに追いかけられたり、クマと闘ったりして、かなり時間がかかってしまった。

もちろんこれも修行なので、目隠しは取らなかった。

しかし。




目を閉じていても、クマが攻撃してくるのが見える。

木の生えている場所も、その枝ぶりも見える。
つまり・・・






天「修行…順調に成果が出てる…でも疲れたぁ〜…」


予想以上の成果に天空自身驚いたり呆れたり。
と、ここで天空はあることに気付いた。



天「もしかして…ここに居る意味無くなったんじゃない?」


だってもうほとんど修行完成してんじゃん!
最初は様子見のつもりでいたのに、なんか出来ちゃってるし!
これくらいできれば今のところ問題ないし、他にやる事なんてないよ!?







天「…よし、体力作りも兼ねて、黒姫山に登るぞー!」


































―――――――翌日。





天空は黒姫山の自然を堪能し、並盛へと帰路についた。


































  お ま け






それは並盛への帰宅途中の事。





天「ちょっと待った!何で私、こんな状況になってるの!?」




実は天空は、この駅にたどり着くまでにかなりのトラブルに巻き込まれていた。



例えば…











******



男「わ〜危ない!!」
天「へ?」



ガシャアァァァン!!



天「キャア!」






******











ある時はブレーキが壊れた自転車にぶつかりそうになり…















******



男「おお〜い!あぶね〜ぞ!逃げろ!!」
天「は?」



バチバチバチ!












******













またある時は電線が垂れてきて感電しそうになり…



















******


男「危ない!」
天「今度は何!」



ドガアアアン!!






******














そしてまたある時はバスが突っ込んできたり…



































この日、天空は自分がかなりトラブルに巻き込まれやすい体質であることを
悟ったのだった・・・。






+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


あとがき&解説。


黒姫山というのは、長野県を代表する山の一つで、
自然豊か、ちょっと富士山に似た姿をしています。


あ、でも作者は長野県民じゃないですよ?
長野にしたのは、ほとんど思いつきなので…w



次回、少しシリアス展開になるかもしれません。

-12-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




家庭教師ヒットマンREBORN! 36 (ジャンプコミックス)
新品 \420
中古 \1
(参考価格:\420)