第五話「居候」
俺の部屋に入ると、霄がまるで自分の家のように、すっかりくつろいで、コンビニで買ってきた、
ツナマヨのおにぎりをみつめていた。すると、俺が戻ってきたことに気付き、俺に話しかけてきた。
「響史、そういえば…これは何という食べ物だった?」
「えっ?あ、ああ…おにぎりだけど…?」
「そうそう、おにぎりといったな…。なかなか美味だな、また食べさせてくれ!」
「あ、ああ…」
―そんなに気に入ったのか?まぁ、いいけど…。
俺はひとまずあぐらをかいて、その場に座ると、拳をグーにして床につけて霄に言った。
「なぁ、そういえば護衛役ってのは十二人いて、全員同じ血を持った兄弟で、
最強の一族だって言ってたよな?」
「ああ…。私以外で後十一人いる…」
「……」
俺は心の中で考えた。
―それは、つまり後十一回程、俺は命を狙われるということ。
そんなこと、考えただけで嫌になる。そのためにも、何とかしなければならない。
その時、ドアノブが回り、部屋の扉が開いた。すると、頭の上にフワフワの白いタオルを乗せた、
湯上りで少し顔が火照っているルリが上がってきた。彼女の体から湯気が立ち上り、
上に行くほど薄くなり、最終的には全く見えなくなる…。
「ふぅ〜…。凄く気持ちよかった。ありがとう、響史…丁度いい温度だったよ?」
「そうか、そりゃ良かった…」
俺はとりあえず、さっきの話も踏まえて、ルリに一つだけ質問する事にした。