「なぁ、ルリ…。聞きたいことがあるんだが、これからお前等どうするんだ?」
俺の質問にルリはハッとして、霄を見つめ、その後俺の方に視線を戻して言った。
「そうだね。とりあえず、響史の家にいさせてもらいたいけど…。いいかな?」
「えっ!?い、いや別にいいけど…」
「本当にいいのか?響史…」
「ああ…、どうせこの家俺以外誰も住んでいないし…。ただ、問題はこの屋根だな…。
ローン残ってんのに…」
俺の言葉に顔を上げた霄はふっと笑うと、腕を組んで俺に言った。
「そのことについてならさっきも言ったが、私が直しておくから大丈夫だ…。
魔界から渡されているこの金でな!」
「ならいいんだが…」
「人間界には、大工とやらはいるのか?」
「ああ…。それなら、元々この家を建てたことがあるおっさんに聞いた方が早いだろ!
偶然にも、近所に住んでるって話だし…」
俺は開けっ放しだった窓を閉めながら言った。
「ちょっと、待てよ…。ってことは、お前ら俺の家に住むってことか?っていうことは…要するに居候…。
食費は何とかなるが、問題は生活だ…。学校はまだしばらく連休で休みだが、
休みが開けたらどうするか…。もう一つは、何処で寝るかだな…」
俺が考え込むと、ルリが提案した。
「じゃあ、このベッドに寝ればいいよ!」
「えっ?でも、このベッドは元々一人用だし…」
「三人ぐらい、頑張れば入るよ!」
「だが、体重制限が…」
「それは、つまり私達が太っていると言いたいのか?」
俺は霄に言われ、慌てて弁解した。
「違う違う!俺はただ…、一人用に三人も入るのはどうか、って話をしてるだけで…」
「ならいい…」
「ふぅ…」
―全く、こりゃ結構大変そうだな…。
俺は考える気力が今のいざこざで無くなり、仕方なくその考えでいくことになった。