「じゃあ、行くぜ!」
俺は剣を無茶苦茶に振り回し、何とかして相手に一撃を与えようとした。
しかし、相手は身のこなしがよく、
スッスッと軽くかわされてしまう。
「ちっ、ちょこまかと!」
俺は自慢の俊足を巧みに使い相手の背後に回ると、
素早く剣を振るった。だが、相手の反応も素早いせいか、
惜しいところで二刀流の片割れを使い、防いできた。
「くそ…」
「どうやら、あなたの実力もここまでのようですね…。
本来なら悪魔にしか使うことが出来ないはずのその剣を、
あなたが使うだけでも素晴らしいことですので、
その点に関しましては褒めて差し上げます。
しかし、所詮は人間…。使い手が悪すぎます。
せっかくの姉上の剣もそんなに乱暴に扱われては、
哀れで仕方がありません…」
「なんだと〜!?」
俺は少しカチンときた。
「気に食いませんか?でしたら、もう終わりにしましょう…」
その一言と共に彼女は俺の後ろに一瞬にして移動した。
「妖刀『舞花刀』…開放!!」
「!?」
俺は少し驚いた。剣から何故か、血が流れ出始めたのだ。
「何だこれ…?」
「この剣にはある言い伝えがあります。
この剣は地獄の血の湖で、『舞姫』という名前の姫様の魂が、
踊っていた時の踊りを見ていた鍛冶屋の『八兵衛』という人がつけた名前です。
この剣から流れ出る血はその舞姫のものだとも言われています…」
ゴクン…。
俺は喉を鳴らした。ス〜ッと俺の頬を冷や汗が流れる。
俺は剣を相手に向けて構え、何処から攻撃されても大丈夫なようにガードを固めた。