「肆の型『粘血祭』!!」
「今度は何なんだ!?」
彼女は高く飛び上がると、舞花刀を回転しながら振り回し、
俺の足元に血の液体を放った。
「何のマネだ!?」
俺は今までたくさんの攻撃を受けてきたが、血をかけられただけで、
何も攻撃されなかったため少し拍子抜けだった。
「油断していられるのも今の内です…」
「何!?」
俺が相手に攻撃しようと前に進もうとした次の瞬間、奇妙な出来事が起きた。
何と、足元の血が俺の靴の裏にくっついているのだ。そうまるで、赤いガムの様に…。
「何だコレ!?」
「この型は次に私が行う攻撃の第一段階。要するに…下準備ってことですよ…。
私の今までの攻撃について何も知らないあなたにとっては、
この攻撃は理解できないでしょうが、
次の攻撃はあなたにも理解できると思いますよ…?」
そう言って、彼女は俺の近くに片方の剣を投げた。
俺は脚の自由が利かないため、うまく上半身を使ってその攻撃をかわした。
「まさか、これが次の型なんていうんじゃないだろうな?」
「あたりまえです…。こんな攻撃…私はしません」
俺は彼女の行っている行動の意味が理解できずに、
ただ何とかして足の裏にくっついた血を取り除こうと、
霄の剣を使って粘糸を切り裂いていた。
しかしその間にも、彼女は着々と伍の型のための準備を整えていた。
俺のいる場所から一直線にしかれた血の線、
その反対側には丁度零の持つ剣を刺すことが出来る位の幅があった。
俺の周りは何故か円形になっていて少し幅が広かった。
「何をするのか知らないが、生憎…俺はもう少しで脱出できるぜ?」
「そうですか…。でも、その行為も私の次の行動で無意味になります…」
「何を…―」
俺が最後までいう前に彼女は剣を地面に突き刺した。
それと同時に、その剣から謎の光が出現し真っ直ぐ血の線を進み、
物凄いスピードで俺の周りを取り囲んだ。