「さすがのあなたもこれで終わりです…。伍の型『千血祭』!!」
シュン!ドスドスドスドスッ…!!!
「!?…ぐふっ!」
何が何だかわからなかった。
そう、あの血のマークは単なるこけ脅しなんかじゃなかったのだ。
そのマークは彼女の片方の剣から放った光と、
血のマークを書いた剣の二つが繋がって初めて成り立つ技だったんだ…。
そのために、標的である俺を肆の型で動けなくし、伍の型で確実に狙ったんだ。
相当な高度な技なんだこれは…。
俺はもうダメかもしれないと思った。
何せ、俺の胸から背中に向かって弐の型で放たれた針よりも、
もっと鋭利化した血の針が体を貫いているからだ。
体だけではない、太股も、腕も右肩にもこれでもかという量の針が、
突き刺さっているのだ。
なるほど、彼女の言ったとおりコレではさすがの俺も動けない。
―今度こそ終わったのか…。
その時、俺の腕が光った。
「!?」
「何ですかコレは!?」
「これは、ルリにもらった腕輪…」
そう、光の正体はルリの髪の毛を洗ってあげた際に御礼としてもらった腕輪だったのだ。
しかし、まさかこの腕輪が、
俺のこの危機的状況を、救ってくれるとは思っても見なかった……。