第十話「漆の型『舞踏・散血祭』」
時刻はもう既に九時…。良い子の皆はもう既に眠っているくらいの時間…。
そんな中、俺は今、護衛役の水蓮寺 零に襲われ危機的状況に陥っている。
そんな時、突然ルリにもらった腕輪が光り輝き始めた。
「何なんだ一体!?」
「この光はまさか…?」
零の慌てように俺は何事かと思った。すると、空から謎の剣が…。
「これは?」
「それは、伝説の妖刀『夜月刀』!?
しかし、何故あなたがそれを持っているんですか?」
「お、俺にもよく分からない…」
「それは、姫様のお母様が以前使っていた剣だよ…!」
霊に言われ俺は千本の血の針にさされた状態で、
一か八かとその剣を手に取った。
抜き取ると、謎の光が俺の体を包み込み、一瞬にして致命傷の傷が全て治った。
最初に霊に直してもらった数倍早い…。
しかも、零が放った千本の血の針を全て破壊し、
まるで俺の周りにバリアが張られているような感覚を感じた。
「くっ、まさかこれほどの力を持っているとは…。神童さんあなたは一体!?」
「ふん…。ただの人間だ」
「だったら、ただの人間らしくおとなしく死んでください!!」
彼女は剣を空高く振り上げると、叫んだ。
「陸の型『雨酸血祭』!!」
その声と共に片方の剣から放たれた血が空に大きく広がり、
雨雲へと変わり夜空全体を覆った。
すると、しばらくして、俺の頬に一筋の赤い液体が流れた。