小説『魔界の少女【完結】』
作者:YossiDragon()

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「へへっ、これでもうお前の攻撃は利かないぜ?」

「ちっ!全くあなたという人は理解できませんね…。

さすがは、人間…まぁいいでしょう。

ここまで頑張った人は初めてですから仕方ありません。

私の最後の型をお見せしましょう。

今まで誰もこれを使った後に生き残った物はいません。

行きます!漆の型『舞踏・散血祭』!!」

「いよいよ、来たか!」

俺は夜月刀を構え、零の動きを見た。

彼女は、二刀流の片方の剣先から大量の血を流し、

自分の周りを囲むようにした。

すると、もう片方の剣を空中に放り投げた。

それと同時に表情を変えることなくジャンプし、

体をひねって俺に向かって宙を旋回している剣を蹴った。

「まずい!…うわっと!!」

全くもって彼女は危険だ。

何せ、今の俺は正しく危機一髪を言わざるをえない状況だったからだ。

後ろにはコンクリの塀…。

目の前には剣先を俺に向けて、青い瞳を見開き俺を睨み付けている護衛役の少女…。

しかも、俺の左脇には先程彼女が蹴った片方の剣が突き刺さっていた。

剣が刺さったばかりでまだ僅かに震えている刀身…。

霊もその驚きの光景に何の言葉も発することが出来ないようだ。


「言っておきますが、

私のこの型はまだ続きがあるんですよ?

ですから最後まで頑張って耐えてくださいね?」

「!?」

ヒュン!!

今まで無表情だった彼女が急に作り笑顔をしてきたので、俺は怪しく思った。

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