「ぐっ!!」
「そ、そんな…。今まで溜めておいた全魔力をこの一撃に込めたのに…」
「残念…だったな!」
俺は今までの攻撃の分のお返しとばかりに、
相手が女だろうと容赦なく剣を斜めに振るった。
「ぐぁああ!!」
バリンッ!ジュンッ!ブシ〜ッ!ドンッ!!
俺の一撃によって彼女の舞花刀の刃は折れ、
しかも俺の斬撃によって右肩を完全に斬られ、
コンクリートのブロック塀に背中を激しく打ちつけた。
「うぅああ…。ぐっ…」
急いで、肩を押さえる零だったが、どんどん手や制服が血で汚れていくだけで、
出血が止まらなかった。
俺は体をよろめかせながらも零に近づいた。
俺の動きに気付いたのか零は下唇を噛み締めながら折れた舞花刀を手に取った。
しかし、俺の動きの方が早く、彼女の首元に剣を向けた。
「ふふっ…。人間に負けてしまいました…。
全く、あなたには完敗ですよ神童さん…。さぁ、もうすでに覚悟は出来ています…。
どうぞ首を切ってください!」
彼女は霄の時と同じように首を切るように頼んできた。
「はぁ〜。お前もかよ…ったく断る!!」
「何故ですか?」
「嫌なもんは嫌なんだ…!」
俺ははっきり断った。
「なるほど…。髪の毛が邪魔で切れないのですね?
さぁ、これでいいでしょう?」
そう言って零は青い髪の毛をサッと右によせ、
頭を右側に倒して首を切りやすいようにした。
「そういう問題じゃない!! 俺はお前を殺さないってことだよ…」
「どうしてですか?私はあなたに負けたんですよ?…早く!」
彼女は、俺の剣を手で掴んだ。もちろんこの剣は真剣で刃もあるため、
彼女の手は切れて赤い血が垂れた。
彼女の白く細い腕を赤い血がゆっくりと流れていく。