第十一話「霊のメイド服」
その次の日…。気がつくと目の前にはいつもならいるはずのルリがいなかった。
―珍しいこともあるもんだ。それとも先に起きているだけなのかもしれない…。
その時後ろから人気が…。それと同時に、俺の腹に腕を絡めてきた。
「な、何だ!?」
「ふにゃぁ〜…」
俺が振り返るとそこには俺の背中にすりすり頬をすりよせる霊がいた。
しかも、これは珍しい…。
霊があの霊がフードを外しているではないか…。
しかも、本当に三毛猫の耳がついている…。
―す、凄い…。
ごくり…。
俺はそ〜っとその猫耳を触ってみた。
フニッ…。
―ああこのさわり心地…やっぱり猫はいいな〜ストレスも解消されて凄く癒される…。
しかし、俺が何度も何度も耳を触っていたため、霊がゆっくり眼を開けた。
「あ、お…おはよう」
「…何やってんの?」
「いや、その…霊がフードを外しているのが珍しいから少し記念にと…」
彼女はまだ寝ぼけているのか眼を半開きにしたまま、
そ〜っと自分の頭をポンポンと触った。
そして、ようやく彼女はフードを被っていないことに気がついた。