「やだ!!」
慌ててフードを深く被る霊…。
―そんなにフードを被っていないといけないのか…?
俺はそこがよく理解できず、とりあえず掛け布団をはいで、起きようとした。
「あっ、ダメ!」
「えっ!?」
俺は彼女の言葉に反応しつつも、そのまま掛け布団をはいでしまった。
すると、彼女は何故かパーカー状の服を着て、その下に何も身に着けていなかった。
「うわっ!ちょ、お前…。何だよ何でまた裸なんだよ…」
「し、仕方ないでしょ?ずっとあの服着ているわけにはいかないじゃん…。
それに、私は他の私服持ってないんだもん…」
「そ、そういえばそうだったな…」
―そういえば、こいつら護衛役やルリは一番最初自分が身に着けていたもの意外は、
何も服を持ってきていなかったな…。
全く、それぐらい想定して持ってきておけっての…。
「しょうがないな…。姉ちゃんの昔の服がまだあればいいんだが…」
そんなことを呟きながら俺は部屋の扉を開けると、向かいの部屋の扉を開けた。
この場所は昔の姉ちゃんの部屋だったのだ。
姉ちゃんが家を出てまだ間もないせいか、
まだ姉ちゃんが使っていた香水の香りがかすかにする…。
俺は左右を見渡しながら、確認すると押入れを発見した。
「おっ、あったあった…」
俺は押入れの襖を開き、中を確認した。
―こりゃすごい…。
姉ちゃん自分の昔使っていた服捨てずにそのまま残しておいてくれて助かった。
しかも、まだ新品みたいに見える服がたくさんある…。
とりあえず、サイズ的にも霊にはこれを着せておくか…。
俺は、とりあえず一番手前にあったサイズ的にも霊に丁度いい、
フリルのついたスカート付きの洋服を持っていった。
その時、俺はちゃんと中身を確認しなかった。
俺は姉ちゃんの部屋を出て自分の部屋のドアを開けると、
何故か彼女は布団の中ではなく堂々と部屋の俺の部屋の真ん中に立っていた。