「ただいま〜!」
「響史、すまんな少し遅れてしまった…」
霄やルリ達が何かを買ってきたようで買い物のビニール袋を片手に持っていた。
そして、俺と霊の今のこの状況を見た彼女達は、一瞬にして今の状況を理解し、
俺を軽蔑的な眼差しで見つめた。
その時、霊がいつものようにパーカーを着た姿ならまだ良かったかもしれない。
しかし、今の彼女はメイド服姿…その彼女を見たら、
彼女達は何を言うのかは俺には大体想像がついた。
「きょ、響史…。まさか、お前がそんな男だったとは…!!」
「ひどいよ、響史…」
「いや、違うんだこれには深いわけが!!」
「言い訳は聞かん!!」
ドガッ!!
「イデッ!!」
俺は霄に蹴りをくらわされた。
しかも最悪なことにこの攻撃が見事俺のみぞおちに、
クリティカルヒットしやがった。
「うごぉおお!!イッテエエエエ!!!」
「安心しろ、お前が今感じてるその痛みよりも、
霊が今されたことの方が痛い…。
霊が今どんな気持ちなのかお前分かっているんだろうな?」
「えっ…」
俺はふと霊を見ると、彼女は一瞬泣いているように見えた。
「いや、本当にごめんって…。俺が悪かった…」
俺は潔く罪を認め霊の目の前に土下座した。
「グスッ…もういいよ、響史…。顔を上げて?」
「あ、ああ…」
霊の顔を見て俺は思った。彼女は涙を流していたせいか、
少し眼が充血していた。そんなことがあって、
結局俺達のその後の昼食はルリ達が買い物してきた食材で、
俺が料理を作り食べることになった。しかし、その時の気まずさったらなかった。
何せ俺達はその後、夜になるまでひと時も言葉を交わさなかったからだ。
昼食の時は殆ど時計の針の音と、皿同士がぶつかり合うコツンという音…そして、
野菜などを噛み締める時のシャクシャクという新鮮な音…だけだった。
あの時の時間は凄く長く感じた。
そして、時刻は夜の七時…。
俺はまたしても料理係…。そして、
俺は霊にお詫びと昨日のおんぶも兼ねて大量の魚料理を振舞った。