「その何か、ごめんな…。深く反省してる」
「もういいよ…。それに、私がつまづいたのもいけないんだし…」
「そういってもらえると、俺も心が軽くなるよ…」
「だが、私は許さんぞ?」
「私も!!」
張本人の霊は少し俺を許してくれたが、霄とルリの二人は許してくれなかった。
「なぁ、いい加減機嫌直してくれよ?」
「なら、今日の私の風呂掃除当番をお前がかわりにやれ!!」
「ええっ!?」
―それは関係ないのでは?
俺は心の中で思った。
「や・れ・!! 」
「…はい」
俺は彼女に無理強いされ、仕方なく彼女の言うことに従った。
―っていうか、ほんと零は殆ど喋らないな…。
「なぁ、零お前は何も言わないけど何か意見はないのか?」
「いえ、別に私は何も…」
「あ、ああそう…」
俺は何だか気まずかった。そして、全員が夕食を食べ終わると、
俺はまるでパシリの様に扱われ、結局皿も全て俺が片付け皿洗いまですることになった。
その後、風呂掃除をし何とかそれも終えると、
俺はまるで全てをやりつくして何もかもが終わったかのように、
真っ白な灰の様な状態になった。
そして、一時間後風呂が沸き霄とルリが俺に対して不機嫌そうな気を、
ヒュンヒュン飛ばしながら風呂場に向かった。
俺はようやく凍りついた空気から逃れ、落ち着くことが出来た。
その時、俺の肩を人差し指で霊がツンツンとつついた。
「ん?どうかしたか?」
「その…これっていつまで着ていればいいの?」
「ああ…。すまねぇな、今の所それぐらいしか、
丁度いいサイズがなくて…今度一緒に霊や他の皆に似合う洋服買いに行こうな?」
「うん!」
―ああ…よかった。俺が望んでいたのはその笑顔だよ…。
いつまでも不機嫌なままじゃいけないからな。
俺は1人で納得し、1人でうなずいていた。
「じゃあ、指きりな!」
「うん、指きり!」
―おっよかった。零や霄はともかく、霊だけはこの指きりについての知識があって…。
そんなことを思いながら俺は湯のみを持ってきて彼女にお茶をついてあげた。