「へっ、何だやろうってのか?」
「はぁ…俺は平和に事を運びたかったんだがな…」
そういうと、青年は袖に腕を通さずに羽織っていた羽織物を、
道端に脱ぎ捨てそのままクイックイッと向きを巧みに転換させながら、
目の前の一人の不良に右アッパーをくらわせた。
攻撃は見事クリーンヒット!
サングラスの不良はそのまま他の仲間の不良にぶつかった。
「何だ、こいつ生意気な!ええい、囲え!」
一人の不良の一声で他の不良達は一気に一人の青年を取り囲んだ。
「…10…20…30人ってとこか…。面白い、久しぶりに一つ暴れてやるか!」
青年は握りこぶしを作り、力を込めるともう片方の手で不良達に挑発した。
「こんの〜なめやがって!!やっちまえ!!」
「うおらぁああ!!」
「来い!!」
ドスゴスドガッバキッグシャ…メリメリドゴッ!!ドサドサッバタッ!!
殴り殴られる殴り合いの効果音が静かな夜に鳴り響く…。
そして、一分後…―
「ふぅ〜…。やっぱり人間だと全然相手になんねぇな〜」
なんということだろうか。あれだけの不良達を相手にして、
素晴らしいことに青年は無傷だった。
さらに、まだ殴りたりないのか青年はボロッボロの不良達に近寄っていった。
「ひぃいい〜!!」
青年のバケモノなみの力量に腰を抜かして慌てて下がる不良達…。
「くそ〜こうなったら若頭を連れて来い!!」
「…若頭?」
青年は不良達の言葉に少し疑問を抱いた。