「うぐっ…」
桔梗は呻き声を上げながら青年をにらみつけた。
「てめぇなにもんや…。その力…ただものじゃねぇな…。
うっ、くそ…。まさかこのわいがやられるやなんて…」
「そんなことは、どうでもいい。それよりも、本題に移らせてもらう…」
「何!?本題やと?」
桔梗は少し不意をつかれたような顔をした。
「この写真の男を知ってるか?」
「なっ、そいつは…」
「知っているのか?」
「い、いや知らへん…」
桔梗が突然視線をそらし焦りを隠しているようにみえたせいか、
青年は一瞬少し怪しく思った。
「そうか…。なら、お前にもう用はない!!」
青年が殴ろうとした瞬間、サングラスをかけていない桔梗の前に謎の少年が姿を現した。
「何だお前は!…そこをどけ!!」
「いやッス!!ここから先には一歩も進ませないッスよ?」
「なら、無理矢理通るだけだ…」
ドスッ!
「うっ!」
青年はその少年の右肩と首の付け根の辺りに、
的確なポイントを狙ってチョップした。
すると、その少年は力が抜けたのか、その場に膝から崩れるようにして倒れた。
「うぐっ…。逃げてくださいッス!」
「バカ…!わいが、部下を置いて逃げられるわけないやろ!」
「ふん…。どうやらお前は仲間思いの若頭のようだな…」
「だったら、何や?バカにするんか?」
桔梗の言葉に青年はふっと鼻で笑うと、言った。