「ここが、奴の家なのか?」
「そ、そうッス!!」
秋次は凄く脅えていた。
よほど怖いのだろう…。緑色の髪の毛に黄色い瞳を持つ彼は、
雰囲気からして高校生だろう…。
二人はそのまま、俺の家の玄関前まで来ると、チャイムを鳴らした。
ピンポ〜ン♪
「…」
ピンポ〜ン♪
何の返事もない…。
「…てめぇ、まさか騙したんじゃねぇだろうな?」
「ち、違うッスよ!?もう一度やってみてくださいッス!!」
「ったく…」
雫は少し苛立ちながらもう一度チャイムを鳴らした。
ピンポ〜ン♪
「…お前、いい加減にしろよ!?」
「ひぃいい!!…あっ、そうだ。きっと風呂に入ってるんスよ!!」
「風呂だぁ〜?よくわかんねえが…だったら、そこに案内しろ!!」
「いやいや、俺知らないッス…」
「じゃあ、探せ…」
「うぇええ〜!?」
「さ・が・せ・!! 」
「はいッス…」
全く持って秋次がかわいそうに思えて仕方がない。
しばらくして、秋次が雫を呼ぶ声が聞こえてきた。
「先輩!あったッスよ!!」
「おお…ようやく見つけたか、よくやった!」
雫は秋次の頭を撫でてあげた。秋次は少し嬉しかったのか少し照れていた。
「ここか…。ん?声が聞こえるな、
なるほど…お前の言うとおりやっぱり風呂とやらにいるようだな…」
雫は恐る恐る窓に手を伸ばした。
すると、カギがかかっていないようで、普通に開いた。
「おっ、開いてる…。まったく無用心な家だぜ…」
雫と秋次はひとまず深呼吸して心を落ち着かせ風呂場の中を覗いた。
そこには何と、風呂場で髪の毛を洗ったり、
風呂場で泡を立てて遊んだりして戯れているルリや零や霄がいた。