―その頃、響史達はというと…。
「おい、今の音何だ!?」
響史は風呂場から聞こえてくる効果音に慌てて駆けつけ、
風呂場の扉を開けた。
「なっ!?」
「いっ、きゃあぁあああ〜!!!」
「響史、貴様〜!!」
「ち、違うんだ!!これは…―」
「問答無用〜!!」
「ぎゃぁあああああああ!!!」
真っ暗な夜に響く悲痛の叫び声…。
―ここは響史の家のリビング…。
そこでは、長い髪の毛を一つに束ね頭の上で留めているルリと、
タオルを首に巻き、この間俺の姉からのお下がりでもらったというか、
勝手に使わせてもらっているパジャマを着た霄が、
昼間よりももっと不機嫌そうな態度で腕組をしていた。
何故か、零だけは無表情のままだが…。
「な、なぁ、そろそろ機嫌直してくれよ…」
「ふん!!」
霄はそっぽを向いた。
「なぁ、ルリもさ…」
「嫌!」
「……」
響史は無言になった。
霊はその様子をメイド服を着たままテーブルにあごをついて、
ボ〜ッと眺めていた。
その時、この沈黙の空気をたちきるかのように、
ピンポ〜ン♪
というインターホンが鳴った。
一瞬響史は姉がまた来たのかと思ったが、どうやら違うらしい…。
何故なら、
―姉ならこの間の時のように、
玄関ドアを蹴破って入ってくるに違いない!
とそう思ったからだ。