「これは…」
「お前達が暴れた結果だ…。
お前らの戦いを止めたのには理由がある。
一つはこんな風に周りに被害を出して欲しくないため。
もう一つは兄弟同士で殺し合わせることに反対だからだ」
「ふん!お前達人間に俺達悪魔は左右されたりしない…。
魔界の人間である俺達悪魔はな、
ずっと戦わないでいるとだんだんと力が衰えて来るんだよ…。
そうなってもしも他の悪魔にその命を狙われてみろ…。
こっちが殺られちまうんだよ。
そうならないためにも俺達は常に戦い続ける…。
それが俺達悪魔の中でも最強の古の一族と言われる『水蓮寺一族』なんだよ!
その証拠にこれを見ろ!」
俺は雫に言われ、俺は彼に視線を向けた。すると、
雫は制服のボタンを外し、胸を見せた。そこには、無数の太刀傷があった。
これが、その証だ…。血を求め、戦いを求め己の体を傷つける。
俺達は変われないんだよ!」
「そ…―」
「変われる!!」
俺が言おうとした瞬間に霄が叫んだ。
「人は変われるんだよ…兄者」
「霄…忘れたのか?俺達は悪魔だ、人間じゃない」
「悪魔でも自分に変わろうとする思いがあれば変われるんだよ」
「何を馬鹿なことを…。そんな言葉を誰が信じるんだ…。
第一、お前は変わったのか?」
「変わった…。その証拠に私はこっちにきて誰一人として殺していない。
本来なら掟で任務をしくじったり戦いに負けたりすれば、
水蓮寺の血を受け継ぐものとしてその名を汚さないためにも首をきるところだが、
の男…響史に言われて私は変わった。
私はこいつに負けて首を切ろうとしたがこいつに阻止され、死なずに、
今ここにいる…。それは、零や霊達も同じだ」
「ふん…」
二人の会話に俺はなかなか入ることが出来ず、
そのまま黙って聞いているしかなかった。
「だったらその意思をこの場で見せてみろ!!」
そう言って、雫は頭上に物凄く大きな水の球を作り出した。
「水球弾!!」
「なっ!?」
雫は俺に向かって、それを投げてきたが、
間一髪のところで霄が俺の前に瞬間移動し剣でその水の球を切り裂いた。