「何言ってんだ!お前を殺そうとしたんだぞ?」
「それはお前の勘違いだ!」
「?」
「兄者は私を殺そうなどとはなから思っていない。
その証拠に兄者の攻撃にはどれも隙があった。
それが何よりの証拠だ」
「そうなのか?」
「ああ…」
―まぁあいつの妹である霄が言うんだからそうなんだろうな。
俺はそんなことを心の中で思いながら剣を彼女に返した。
「立てるか?」
「ああ…」
彼女はゆっくり立ち上がったがまだ少し体がふらつくようで、
少し体をよろめかせた。
「おい、本当に大丈夫か?」
「ああ…すまないが、肩を貸してくれないか?」
「おう、いいぜ」
俺は霄に肩を貸し、一緒に俺の家に帰った。
―ここは俺の家のリビング…
「ん…。ここは?」
「あっ、気がついた。ルリちゃ〜ん〜!!気がついたよ?」
「本当?ああ、良かった。全然目を覚まさないから死んだのかと思った」
「ここは、何処なんスか?」
「ここ?ここは、響史の家だよ?」
「響史…?」
「ああ、ここの家の人」
「そうッスか…。あれ、あなたは何処かで…ていうか、
あなたはどうしてメイド服を着ているんスか?
それに、その猫耳と猫の尻尾は!?」
「あ、コレは…―」
「ま、まさかここは天国!?
それで、目の前にこんなに可愛いメイド服を着た少女がいるんスね。
そうだ、そうに違いないッス…!ってことは、僕は死んだんスか?」
「そんなに、死にたいなら本当の天国に行くか?」
「あ、あなたは?」
「俺は神童響史だ。
お前は、雫と一緒にここに来ていきなり鼻血を出して気絶したんだよ」
「ってことは、ここは天国じゃないんスね?」
彼の言葉に俺は答えた。
「ああ…」
「全く、お前も人がよすぎるな響史…」
「あ、あなたは…!?」
「?」
ブシャ〜ッ!!
彼は突然霄の顔を見て鼻血を噴出した。
―全く、一体どうしたというんだ。
「どうしたんだ?」
「い、いやそのすみませんッス〜!!」
「どうして、急に謝るんだ?」
霄も彼の突然の行動に首を傾げている。