―「ところで、話は変わるが、
ルリ…なぁ雫が言ってたんだが、
お前に本当の目的があるって本当なのか?」
「えっ……そう、雫から聞いたんだね?
本当はその時が来たら話すつもりだったんだけど、
どうやら今がその時みたいだね…。
少し早いような気もするけど、話すよ…」
ルリの言葉に俺は胸の鼓動が早くなるのを感じていた。
ゴクリと息を呑み俺は彼女の話を聞く準備を整えた。
「まずは、この世界の仕組みから話そうか…。
結構話長いからよ〜く聞いててね?」
「ああ…」
俺は覚悟を決めた。
ルリは咳払いをし、ふぅ〜と深呼吸をして一息つくと話し始めた。
「この世界は全部で五つの世界で構成されていて、
その一つでも消えてしまえば、
他の世界もバランスを崩して世界は崩壊すると言われているの。
それで、それぞれの世界を守る“要”の役目を果たす守護神が必要となるの…。
それがそれぞれの世界にいるんだけど、
その五つの世界っていうのはお母様の住んでいる『天界』、
お父様や私達が元々住んでいた『魔界』。
響史達人間が住んでいる『人間界』、
人間界と全く真逆の世界で私のお母様の妹つまり、
私からみたら叔母さんだけが住んでいる『鏡界』、
最後にお父様のお兄様が住んでいる『冥界』の五つがあるんだけど、
その均衡が今崩れようとしているの」
ルリは話し続けて少し喉が渇いたのか、
あらかじめ注いでいたお茶を全て飲み干し、続きを話し始めた。