「じゃあ、どうするんだよ!?」
「まぁ、落ち着いて?別に他に方法がないわけじゃないの。
でも、この方法は少し難しくて…」
「何でも言ってくれ!俺に出来ることならなんでもするぜ?」
「本当!?」
急にルリは表情をパ〜ッと明るくして、俺の手を掴むと、言った。
「じゃあ、太陽系の証を手に入れて?」
「た、太陽系の証?」
「うん♪天界に行くためには天の力を授かったとされる、
十人の太陽系の守護者に証をもらわないといけないの。
そのためには、人間の協力が必要なんだよ…」
「えっ、でもそれって何処にいるんだ?」
「知らない!」
―ええ〜っ!!?何で、知ってるんじゃねぇの?知らないの…?
俺は心の中で思った。
「じゃあ、どうするんだよ?」
「そりゃ〜、探すしかないよ…。当てもないし」
―マジかよ…。
「協力してくれるんだよね?」
「えっ、いやその…」
「えっ、ダメ…なの?」
―そんなウルウルした目で俺を見ないでくれ…。そんなことされたら俺は…―。
「分かった、協力するからその目を止めてくれ!」
「ありがとう…さすがは響史。とても優しいんだね」
―はぁ〜。
俺は今日あることを学んだ。
それは、内容を最後まで聞かずに安易に相手の頼みを請け負わないことだ…。
「そういえば、太陽系の守護者って何なんだ?」
「うん、太陽系の守護者っていうのは太陽・水星・金星・地球・火星・木星・
土星・天王星・海王星・冥王星の十個の惑星の力を持った守護者のことで、
この人間界の何処かにいるって言われているの」
「そうなんだ。でも、どうやって証をもらうんだ?それに、
人間の協力って…ルリには手に入れられないのか?」
「よく、分からないけどそういう風に言われているんだ…。
あっ、もうこんな時間だね?」
俺はルリに言われ、壁にかけてある時計を見るとななななんと、
時刻は次の日の午前二時になっていた…。
―どぅううえぇえええ!?やべぇよ明日学校だよ?起きれないよ…。どうしよう…。
俺は迷いに迷った結果、明日の学校は休むことにした。
―第一、こんな時間に寝て次の日に起きても起きれるはずが無い!
そう思ったからだ。
「じゃあ、もう遅いしその話はまた明日…、
っていうか一度十分に睡眠を取ってからにしような…」
「うん…そうだね」
ルリも俺の意見に賛成し、俺達二人は、パジャマに着替え、
リビングの電気を消すと、階段をゆっくり上がっていった。
俺は少し隙間のあいた状態になっている自分の部屋の扉を開くと、
壁にあるスイッチを暗闇の中、手探りで見つけ出し、押した。
すると、二三回点滅して照明がついた。
今まで暗闇だった部屋がいきなり明るくなり俺は一瞬眩しいと思った。
しばらくして目もだんだん慣れてきたのか視界がよくなってきた。
俺はベッドに進み、視線を下に向けた。
すると、俺の一人用のベッドはとんでもない状態になっていた。
俺は少し大きめの枕でないと眠れないため少し大きめの枕を使っているのだが、
その枕も護衛役の零や霊達に占領されていた。
ベッドを思いっきり霄が取っているため、
俺がもとい俺とルリの寝る場所が殆どなかった。