「お前は既に太陽系の守護者について話は聞いたはずだ…」
「なぜ、そのことを!?」
「ふふふ…。わしがその太陽系の守護者の一人だからだ…」
「お、お前が?」
「そうだ…。そしてこれが例の指輪だ…」
彼が左腕を目の前にサッと出して、大きな手のひらを開くとその中に小さな指輪があった。
それを見た俺は思わずあっと声を出してしまった。
すると、彼は俺の表情を見て少しニヤッと笑うと、俺に言った。
「これを渡してもいいが、その代わりわしの出す条件をクリアしてみろ!」
「じょ、条件…?」
ゴクリ…。
俺は少し緊張した。
―太陽系の守護者と言っていたが、一体どんな条件を出してくるのだろうか…。
俺はそんな思いが頭の中をかけめぐった。
「その条件とは…―」
「条件とは…?」
「今日から一週間わしらのために料理を作ってもらう…!」
「………は?」
―俺はてっきりもっと無茶苦茶なことを言うのかと思ったが、
まさかこんなどうでもいいような条件を出してくるとは…。
俺は思った。
何せ一週間は少し長いと思うが、料理を作りさえすればあの指輪が手に入るのだ。
そう思えば安いもんだ。そう思った。
しかし、どうやらこの条件はそう簡単なものではなさそうだった。
「しかし…。わしを含めた審査員が星を三つ出せばその話だがな?」
「星三つ?」
「そうだ…。わしを含めた五人の審査員を用意する。彼らに料理を振る舞うのだ。
そして審査してもらい星をもらう。ちなみに、一人星三つだから、
合計十五個の星がもらえる。その内、十個もらえればまぁよしとしよう…」
「そ、そんなのあまりにも無茶じゃないか?」
「な〜に、簡単なことだろう?何せ、料理を作って星を十個もらえればいいだけのこと…。
いいな?さもなくば、お前の仲間は返さぬぞ?」
「わ…分かった。でも……霰は開放してくれ…」
その俺の言葉にボスはしばらく腕組をして考えこんだが、迷った末…。
「…いいだろう」
と許しを出した。手下を呼びつけ霰を連れてくるように言うと、手下は少し足早に奥の部屋に行き、
しばらくして奥から霰が姿を現した。
「お姉ちゃ〜ん!…う、ううぅ…」
霰のすすり泣く声を聞いて俺は、
―よほど怖かったんだろうな
と思った。
「もう、サングラスのお兄さんと競争出来ないなんて〜!!」
―えぇっ?
俺は訳が分からなかった。
「なぁ、霰…。お前一体、向こうの部屋で何やってたんだ?」
「えっ?ただ、あのお兄さんと一緒にゲームをして遊んでただけだよ?」
「えっ?」
俺は彼女の指差す方を向いた。すると、奥から謎のサングラスをかけた黒髪の男が姿を現した。
すると、俺達の視線に気づいたのかさっとこっちを睨み付けた。