「また、遊ぼうね〜!」
「くっ、…あんにゃろ…さっさと帰れ!!」
― 一体、何をしたんだ?こいつ…。
俺は相手の怒った顔を見て霰が何をしたのか少し気になった。
「じゃあ、私霰連れて先に家に帰ってるから…」
「あ、ああ…」
俺は考え事をしている最中に霊に話しかけられ少しビクッとしてしまった。
霊はまるで母親の様に霰の手を繋いで、少し文句を言いながら広間から出て行った。
文句の内容は上手く聞き取れなかった。
そして、彼女達が見えなくなると俺は真後ろに方向を変えた。
すると、ボス達が俺をじ〜っと見ていた。
「な、何だ?」
「いや…お前があんなにもたくさんの女を引き連れているのが、あまりにも以外でな…」
「悪かったな…」
俺は少しムッとした。
「では、さっそく料理を作ってもらおうか?」
「ああ…」
こうして、俺のむさ苦しいばかりの男集団…。しかも不良の料理当番を一週間続ける事になった。
俺は何故か常備していたエプロンをかけ、
紐を背中に回して蝶々結びをしながら家に帰ったであろう霊達のことを考えた。
―そういえば、あいつら料理なんて出来るのか?
ふとそんな思いが思考回路を駆け巡った。
今思えば、いつも俺が料理の担当をしていて、他の奴らが料理を作ったことなど一度も無い。
それに、台所にも立ったことないはずだ。
― 一体、料理どうするつもりなんだろう。
そう思うと俺は少し心配になってきた。しかし、今更家に戻る訳にもいかない。
俺は仕方なく目の前に並んでいる食材に手をつけた。
包丁を手に取り、食材を切り刻んでいく。こうして俺の一週間の料理地獄が始まった…。
と、その時ハッと思った。
―あっ、学校どうしよう…。
それが一番の気がかりだった……。