第十五話「汚物処理班」
俺の料理地獄の最終日の夕方…地獄は午後五時…。
すっかり日も暮れ俺は五人の審査員の前に立ってエプロンを片手に握り締めていた。
俺はまるで料理番組の勝負をしているかのような気持ちで、
星が十個以上もらえますようにといつのまにか神に祈っていた。
そして、五人の審査員がポチポチッとスイッチを押していった。
ゴクリ…。
俺は両手を噛み合わせ、恐る恐る眼を瞑っていた目を開いた。
すると、審査員のモニター画面には十五という数字が表示されていた。
「ま、マジ!?」
パチパチパチ…。
陽河組のボスの拍手の音が聞こえてくる。
「おめでとう、神童君…。君は見事我々から星を貰い条件を満たすことに成功した。
よって、この太陽の証を君にあげよう!」
ボスは椅子から立ち上がり、俺に指輪を持たせると、もう一度椅子に腰掛けた。
その後、彼は部下に合図した。
「こいつは、何かの役に立つかも知れねぇから持って行け!」
そう言って部下が俺に手渡したのは謎の封筒だった。
少し重たい…。何が入っているのか中身を確認したかったが、ボスがここで中身を開けるのを断った。
仕方なく俺はそのまま向きを変えて家に戻った。
夕日がどんどん沈んでいき辺りは暗くなり始めた。
「やべぇ!急いで帰らねぇと!!」
俺は軽く走った。家が近づいてくると俺はやっと自分の家に戻ったという嬉しさでいっぱいになった。
俺はルリ達がしっかり晩御飯を食べていたのか気になりながら、玄関ドアを開けた。
すると、気のせいか家の中から異臭がした。
「な、何だ…この臭い!?」
俺が慌てて腕で鼻を覆っていると、リビングの扉が開き、
中からルリが体をよろめかせながら、こっちに近づき倒れた。
「お、おいルリ!?」
俺は一瞬、何も食べず空腹だったために倒れたのだと思った。
しかし、この臭いからしてそれは違うようだ。
「きょ、響史…。良かった、戻って、来て…くれて…!助けて…あんなの食べ物なんかじゃない。
もうある種の兵器…だよ!」
「一体、何があったんだ?」
「リビングにいる皆を助けて…」
「わ、分かった…」
俺が頷くと、ルリは少し微笑み、ガクッと力尽きた。
―何だよ、これ一体どうなってるんだ?しかも、この臭いは何なんだ?
俺は鼻を押さえたまま慎重にリビングに入って行った。
すると、そこにはテーブルに腕を投げ出して頭を伏せている三人がいた。