「何をやってるんだ響史…。気持ち悪いぞ?」
「うぐうぅう…。た、助けてくれ…。と、溶ける〜体が熱い〜!!」
その俺の異常な反応にさすがの彼女も気づいたのか、突然俺の側に駆けつけ、
俺の頭を自分の太ももの上に乗せると、とっさに懐から何かを取り出した。
俺は、気が遠くなりつつ薄めでその光景を見た。
すると、彼女の手に握り締められていたのは、洗剤では有名なあの『マ○レ○ン』だった…。
―えぇ〜!?ダメだよ…そんなもの、人間に飲ませたら死ぬって絶対…。
でも、このままでも俺死ぬのか…。くそ…。
気がつくと、俺は彼女の太ももの上だった。彼女は心配そうな眼差しで俺を見つめていた。
俺はゆっくりと起き上がると、自分が死んでいないことに驚いた。
「お、俺…生きてる?」
「当たり前だろ?」
「そういえば、俺が気を失っている時にお前何か俺に飲ませたよな?」
「ああ…。これか?」
「それって、あの…洗剤だよな?」
「ああ…。これは隠し味だから入れないようにしておいたんだが、それがどうかしたのか?」
俺は苦笑しながら周りを見回すと、あることに気がついた。
「そういえば、あの…お……スープはどうした?」
俺は霄に気を使い、汚物という言葉は伏せておく事にした。
「あれなら、さっきここに謎のスーツを着た奴らが回収していったぞ?」
―げっ!?汚物処理班の奴らだ…。
「そいつら今何処にいるんだ?」
「さぁな…。もう行ってしまったと思うぞ?」
俺はその言葉を聞いて、胸を撫で下ろしながらもあることが引っかかっていた。
その時、ふとルリの横たわっている姿を見て、思い出した。
「そうだ、ルリ達にもこのマ○レ○ンを飲ませないと!」
「そうだな…」
こうして、俺は気絶して生死の境を迷っているルリ達に洗剤を飲ませた。
すると、しばらくして彼女達は眼を覚まし、ゆっくりと体を起こした。
「だ、大丈夫か?」
「う…うん。でも、どうして私達生きてるの?」
ある意味霄に失礼だが、まぁここは仕方なく聞き流すことにした。
「ああ…これのおかげだ」
「それは?」
「人間界の洗剤だ…。この隠し味が入ってなかったからあのお…スープは未完成だったんだ。
だから、あんな味がしたんだよ。その証拠にこの食べかけの、おぶ―…ゴホン…。
スープにこの洗剤を入れて、かき混ぜると…」
彼女達は、俺のかき混ぜているスープに顔を近づけた。
すると、みるみるうちにあのおどろおどろしい感じの色が消えていき普通のスープの色になった。
「す、凄い…」
「恐らく、中和反応かなんかを起こしたんだろうな。あのスープをいわば、
酸性と例えればこの洗剤はアルカリ性がほんの少しと中性の液体が入っている…」
「そういうことですか…」
零が顎に手を置き、納得する…。
俺達は口直しということで、新たに晩御飯を食べることになった。
俺は急いで、料理を作り、九時くらいには料理が完成した。
スープなどを運び終わり、俺は皆と手を合わせ
「「「「「「いただきま〜す!!!」」」」」」
皆で行う食事の開始の合図…。そして、一斉に皆はまず飲み物としてジャガイモの味噌汁を飲んだ。
その時、ゴホン…。と、霄が咳払いをした。