「ゴホゴホッ!一体これは…ガハッ!!」
ビチャビチャ…!
彼は激しい吐血と咳と同時にマイクを手放し、その場に膝から崩れ落ち、
倒れるとコンクリートに横たわった状態になった。コンクリートの地面に広がる血液…。
「や、山田さん?」
慌てて倒れた山田さんとかいう人に駆け寄るカメラマン…。
― 一体、どういうことだろう?まさか、あの鍋が?
俺は少し額に汗が吹き出てくるのを感じた。
「や、山田…ゴホゴホ…何なんだ、この異臭は?…ウッ」
バタッ!
カメラマンの倒れる音…それと同時にカメラの映像が消え、ノイズの音声だけが流れる…。
スタジオが一気に凍りついた。
「や、山田さん?山田さ〜ん!!!」
ブチッ…。
ついには、テレビの映像も消え、テレビ画面にはニュースの
『只今、映像を放映することが出来ません…。まことに申し訳ございません…』
の文字が流れた。
「な、なぁ…霄。俺思うんだ、こんなことするのは後回しにして、
先にあの人達を助けに行ったほうがよくないか?」
「そうだな…」
霄も納得してくれたようで、俺達は上にジャンバーなどを羽織ると、○マ○モ○を片手に外に飛び出した。
―そして、二時間が経過し、俺と霄は帰宅した。もう時間的にも遅い…。
俺はリビングの扉を開けた。そこには、『先に二階で寝てるね☆霊より』と書かれた紙が置いてあった。
俺は欠伸をして、目尻に少しばかり涙を浮かべながらジャンバーを脱ぐと、洗面所に行き、
寝巻きに着替えた。寝巻きに着替えてリビングに戻ると丁度、
霄が手を腰に当て片方の手で牛乳をゴクゴク飲んでいる所だった。
「ぷはぁ〜…おいしかった。じゃあ、おやすみ…」
「ああ…おやすみ」
俺は彼女に挨拶し、彼女がリビングの扉を開けて出て行くのを見ていた。
その時、俺はふと彼女の後姿を見てあることを思うのだった……。