小説『魔界の少女【完結】』
作者:YossiDragon()

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「実はね、神童君がガールフレンド…―」

「ゴホンッ!!」

「…じゃなかった、え〜と…」

「従姉妹です」

「あっ、そうそう従姉妹を連れてきて、この学園に入れたいっていうんだけど、人数空いているかしら?」

「少し待ってください…」

教頭は校長の話を聞いて、慌てて職員室に向かった。しばらくして、教頭が戻ってきた。

「ふぅ…。え〜と、人数はっと…あっ、空いていますね…」

「あらそう?なら丁度良かったわね!じゃあ、さっそく入ってもらいましょう!

って言いたい所だけど、そういう訳にはいかないの。そんな簡単に入れたら、

この学校の威厳がなくなっちゃうからね…。だから、これから出す三つの条件をクリアできたらいいわよ?」

「三つの条件?」

俺は少し興味さながら不安を感じていた。

「ええ…。まず一つ目は、この学園に入るためなどのいろいろなお金…。それは払えるのかしら?」

「えっ、響史払えないんじゃないの?」

「そんなことねぇよ。そこは何とか出来るからな…」

「ふぅ〜ん」

「言っておくけど、相当な料金がかかるわよ?」

「…………ち、ちなみに幾らぐらい…?」

「そうね〜。大抵、一人あたり少なくとも全て合わせて四十万くらいはかかるかしらね〜」

「よ、四十万!?」

「ええ…」

俺は、喉から何かが飛び出そうな気がした。しばらく俺は考えたが、結局このまま沈黙っていうのも、

何だか相手に悪い気がして咄嗟に俺が言ったのは

「分かりました。何とかします」

という一言だった。

「じゃあ、一つ目の条件はクリアね!」

俺はさっさと次の条件が聞きたかった。

「それで、次の条件は?」

「まぁまぁそう焦らないで…。二つ目の条件はこのテストを解いてもらうわ!」

「テスト?」

「ええ…。でも、ただのテストじゃないわ!これはこの光影学園の中で、

頭が良いとされているTOP5に挑戦してもらったテストなんだけど、

全部で十教科あって1教科全部で百点満点だから…合計千点満点になるはず…。

でも、彼らにとってもよっぽど難しいみたいで、殆どのメンバーが、

半分の五百点に行くか行かないかぐらいなの。あなた達にはこのテストを受けてもらうわ。

そして、もしも五百点以上点数を取ることが出来れば条件クリアよ!」

俺は校長の説明を聞いて、少し不満を抱き、文句を言った。

「あまりにも、それは無茶じゃないですか?」

「文句は無し!ただでさえ、この光影学園に入れてあげるっていうのにも無理があるんだから、

それぐらい勘弁なさい!」

「…はい」

俺はあまり文句を言いすぎると、この話自体が無しになってしまいそうだったため、

これ以上の文句を言うのを止めた。

「さて、最後の条件は…」

ゴクリ…。

俺は自分にはあまり関係のないことだといいと、心の中で思いながら校長の言葉に耳を傾けた。

「あなた達には向こうの部屋に行ってもらって一着服を着てもらうわ!それを着て、

このカメラで写真を撮って私の所に持ってくるというのが、三つ目のじょうけ…べらぼぅわっ!!」

「んなこと出来るか〜!!」

校長の無茶な三つ目の条件…というよりも要求に我慢しきれなくなった霄が、

強烈なアッパーカットを校長にキメた。

「あうっ…」

俺は校長の哀れな姿に一瞬同情しそうになったが、今のは相手が悪いと思い、

「校長先生…今のはあなたが悪いでしょ…」

「そ、そうね…今のは乙女である私にとって恥ずべき行為だったわ…」

―お、乙女って…。

「まぁ、という訳でこの二つの条件をクリアなさい…。そうすれば、この光影学園に入れてあげるわ」

「ありがとうございます…」

俺は丁寧に校長にお辞儀をして、校長室を後にした。

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