小説『勇者? 自由騎士ですが?』
作者:風薙()

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       二話『姫・・・じゃなく閣下登場!』

実況ブースからレオ閣下参戦の情報がもたらされると、押され気味だった砦のガレット兵達が雄叫びをあげた。自分たちの君主の登場とあっては、兵たちも奮起しなければならない

『今回は勝利条件なしの時間一杯ポイント勝負ですから、ここを落とされてはガレット側としても非常に苦しくなりますからね』

戦の勝利条件は様々あり、今回はポイント制ーーつまり、兵を倒した分だけポイントは加算され、拠点占拠・奪取や騎士、隊長クラスを撃破するとボーナスポイトが入ると言う、シンプルなルールである

「うわー・・・レオ様登場だって。ガレットの人たちも戦う気満々だし、ここにレオ様来たらさすがにキツいんじゃないかな、エクレ?」

向かってくるガレット兵を、神剣パラディオンで次々と叩き伏せていく、ビスコッティの勇者【シンク・イズミ】

「話す前に手を動かせ、勇者・・・だったらレオ様が着く前に出来るだけ戦力を削っておくだけのことだ」

シンクに話しかけられた少女は、妙に不機嫌そうにそう返すと両手の短剣で近くにいたガレット兵をけものだまに変えた
彼女はビスコッティ親衛隊隊長【エクレール・マルティノッジ】
14歳にして、親衛隊の隊長をつとめる。

「それに、こっちにレオ様が来るなら逆に好都合だ。湖側には兄上たちの本隊の1番隊、平野側にはダルキアン卿率いる2番隊を中心にした部隊が展開している・・・砦攻め部隊の私たちの方に敵の大将が来るとなれば、その分他の場所への負担が軽くなる」

「ま、つまり僕らはその分大変になるってことだけどね・・・」

シンクは苦笑いしながら、また一人けものだまへと変えていく

「でも、レオ様と戦うとしたら手合わせするのは久しぶりだな〜 前はエクレと二人がかりでも全然本気出してるって感じじゃなかったもんね。今度は少しは本気になってくれるぐらいには頑張りたいなぁ・・・」

「ほう、貴様ら2人程度でワシが本気を出すに値すると思っているのか?」

 突然聞こえた方に2人と他の兵士が目線を移す
そこには肩に剣を担ぎ、不適な笑みを浮かべたレオンミシェリが砦の上立っていた

「うおおおぉぉーっ!」
「レオンミシェリ閣下が来てくださったぞーっ!」


「ビスコッティのダメ勇者にタレミミ親衛隊長よ、ワシがいぬ間に随分と兵達をかわいがってくれたようじゃのう。兵達の仇、ワシが直々に相手をしてやろう!」

-2-
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