小説『ソードアートオンライン~1人の転生者』
作者:saito()

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ギルド

現在アインクラッドは73層まで攻略されている。

俺たちはあのあとも攻略を続けた

びっくりするだろうが、俺たちは血盟騎士団に入った。

まあ、アスナの勧誘もあったのだか団長のヒースクリスの強い要望故だ。なので幾つか条件を出すことで俺たちは入団した。

条件
1、基本的に血盟騎士団に束縛されない。

もともとレベ上げのノルマがないので俺たちは俺たちでやっていくということだ。その代わりボス戦や迷宮区のマッピングデータやその他の情報提供をするというのが対価だが。

2、俺はアスハを、キリトはアスナを他のプレイヤーより最優先で守るということだ。

正直この条件が飲めなければ入るつもりはなかった……

が受け入れてくれたので俺たちはギルドに入った。

ちなみに4人で組むか夫婦で組むかが多かった。

さて、今日はギルドの仕事で4人で第74層の迷宮区のマッピングをしていた。

「ふぅー。ここが安全地帯か。」

キリトは息を吐きながら言った。

「だな。ここは需要な場所になるな。」

サイトは疲れを見せないような素ぶりで言うと、

「サイト君って本当にタフね。それなら前衛はサイト君にお願いしよーかしら。」

アスハが笑いながら言ったが、サイトはそれはと顔を引きつらせて言うと、冗談よと可愛い微笑まれてしまいサイトはたじろいだ……

「本当に仲がいいわね。」

アスハの姉のアスナだ。

「そっちだってよろしくやってるんじゃないのか?」

俺が鎌かけるように言うと、バツの悪そうな顔をして、顔を赤らめた。

「さて、お昼にしよ!」

アスナが話題を変えるようにいうと、お腹を空かせたキリトの目が輝いた。

そのときに俺もバスケットをだした。

「キリト君これ!」

「アスハにこっちな。」

アスナがキリトに、俺はアスハにお弁当を渡す。
そうサイトとアスハでは家事はサイトがやっているのだ、理由はサイトのほうが上手だからだ。

「サイト君ってほんとになんでもできるね。」

アスハが感心したように言っていると、


「アスハもやらなきゃだめだよ!」

アスナから厳しいお言葉が………

「なあ、サイトのも食べさせて!」

キリトは食事に夢中のようだ……

「もう!キリト君は食べることばっかし!」

「ははは。まあそういうと思ったから一応全員分作っておいたんだ。ほらアスナも小さめのどうだ?」

そういって俺は差し出した。

キリトたちは食べた瞬間に

「「「こ、これって…フランスパン…?」」」

「そうだ。すごく苦労したけどな。」

サイトのパンはフランスパンに野菜と肉を挟んだ西洋の基本的なサンドイッチ系のものだ。

「す、すごい。ねぇ、今度作り方教えて!」

「ああ。もちろんだ。」

俺たちはちょっとした食事を楽しんだ。

食事の後、再びマッピングを始めた。

安全地帯から奥はモンスターのレベルが高いようだ。

進むのに結構苦労した………

ここがボスの部屋か。俺は心の中でつぶやいた。

「どうする?開けてみるか?」

俺がそういうとキリトがうなづいた。

「念のため転移結晶を用意しとけとよ。」

準備させ、俺はボスの扉を開けた。

ボボボボ………という音ともに部屋に置かれた燭台に青い炎が灯っていく。

俺は知っているが、知らない三人は体をビクつかせている。

アスナはキリトに、アスハ俺の腕に抱きつき完全に怖がっている。

奥からズシンズシンと巨大な体のモンスターがあらわれたら、


<The Gleameyes>

間違いない。このフロアーのボスだ。

名前に定冠詞がつくのはその証である。

頭には2本の大きな角が生えいて、体は深青の毛に覆われている。すごい筋肉質の体つきで手には大きな斬馬刀がある。これが鎌だったらまさに悪魔そのものである……

すると、突然青い悪魔が長く伸びた鼻面を振り上げて、轟くような雄叫びを上げた。

両側にある炎の列が激しく揺らぎ、ビリビリと床を振動させる。
奴は口と鼻から青白く燃える呼気を吹き出しながら、右手に持つ巨大な剣をかざして、地響きを立てながらこちらに向かって物凄いスピードで走り寄ってきた。


「うわあああああ!」
「きゃあああああ!」
「きゃあああああ!」

3人は悲鳴をあげて走りだした。

おれはアスハにがっちりと掴まれておりそのまま敏捷パラメータにものを言わせて全速力で走り出した。

おれは、ボスは部屋から出れないんだから、大丈夫だってば!

って言おうとおもったが言えなかった………

俺たちは((俺は違うが))迷宮区の中をひたすら走っていた。

そりゃあもう、迷宮区の中ほどにある安全エリアまでノンストップでね。

何度かモンスターにターゲットされたような気がしないでもないけど、3人の剣幕が凄くて襲ってはこなかった。(いや、寧ろ怖くて襲えませんでした。byモンスター一同)

安全エリアの広い部屋に飛び込み、3人並んで壁際にずるずると座り込むと、キリトとアスナとアスハは大きく一息ついて、お互いを見た。すると、

「「……ぷっ」」

どちらからともなく笑いがこみ上げてきたようで、3人で仲良く吹き出してしまった。

冷静になってマップを確認するなりすれば、追ってこないのは判った筈なんだけどね…。

と苦笑しながら、3人を見る。

「あはは、やー、逃げた逃げた!」

アスナは床にぺたりと座り込み、愉快そうに笑う。

「こんなに一生懸命走ったのすっごい久しぶりだよ。」

アスハも笑いながら言う。

まぁ、わたしよりもキリト君の方が凄かったけどね!」

「……………」

否定できないキリトにアスナはまたクスクスと笑い出した。

いや、俺から言わせれば、3人ともどっこいどっこいだったよ


アスナが漸く笑いを収めると、表情を引き締める。

「……あれは苦労しそうだね……。」

『そうだね〜。ぱっと見だけど、武器は大型剣ひとつだけだし。

ただ、特殊攻撃はアリだろうと思うよ?』

「うん。前衛に堅い人を集めてどんどんスイッチして行くしかないね。」

「盾装備の奴が10人は欲しいな……。まあ、当面は少しずつちょっかい出して傾向と対策って奴を練るしかなさそうだ。」

『そうだね〜…。」

「盾装備、ねぇ。」

あ、アスナなんか気づいたかな?

アスナがキリトを意味ありげに見ている。

「な、なんだよ。」

『どうかした?』

「君、なんか隠してるでしょ?」

「いきなり何を……」

「だっておかしいもの。
普通、片手剣の最大のメリットって盾持てるとこじゃない。

でも、キリト君が盾持ってるところ見たことないし。

私の場合は細剣のスピードが落ちるから盾は持てないじゃない?

スタイル優先で持たない人もいるけど、君の場合はどっちでもないよね。……あやしいなぁ。」

うん。イイ線いってるね、アスナ。

確かにキリトには隠してる技がある。


ちなみにアスハはこういったことを考えるのが苦手なので終始会話を見守っていた。

かたっ、誰がこのエリアに入ってきたようだ……



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