小説『ソードアートオンライン~1人の転生者』
作者:saito()

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75層のコリニア市のゲート広場には、すでに攻略チームのプレイヤーたちが集まっていた。

皆、一見してハイレベルと判るプレイヤーたちばかりで、サイトたちがゲートから出て歩み寄ると、ピタリと口を閉ざし緊張した表情で目礼した。

今日は75層のボス戦だ。

普段はあまりボス戦には参加しないが今回に限っては団長ことヒースクリフに是非を押されているので来ているのだ。

集合時間も近くなってきたためか転移門の辺りには攻略組のプレイヤーで溢れていた。

「よう!」

陽気な声とともに肩を叩かれたので振り返るとそこには日本の武士みたいな防具を纏い頭には真っ赤なバンダナをした男が立って、隣にはスキンヘッドで両手斧を背負った男もいた。

クラインにエギル&#8252;

「なんだ……お前らも参加するのか」

「なんだってことはないだろう!」

苦笑いしながら久しぶりに会った旧友と握手をかわした。

クラインとはゲーム初日からの仲であり同じ時にキリトにも出会った。

一時はばらばらだったがアスハとともにアスナに会いに行った時にはキリトがいてびっくりしたものだ。

サイトは最近よく思うようになった。

自分の知っている知識とはすこし離れていると……

「どうしたの難しい顔して&#8263;」

「い、いやなんでもない。」

サイトはいつもアスハをごまかしながら心では申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


集合時間になったようだーー

転移ゲートから新たな数名が出現した。

真紅の長衣に巨大な十字盾を携えたヒースクリフと、血盟騎士団の精鋭で、彼らの姿を目にしたプレイヤーたちの間に再び緊張が走る。


流石はKoBといったところか。

白赤のギルドカラーを除けば武装も装備もまちまちだが、醸し出す集団としての結束力は以前目にした軍の部隊とは比べ物にならないだろう。

まあ強さならサイトたちも負けはしないのだが……

ヒースクリフが集まった人だかりの中央に行き全員に声をかけた。

「欠員はいないようだな。

よく集まってくれた。状況はすでに知っていると思う。

厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている。

ーーー開放のために!」


ヒースクリフの力強い叫びに、プレイヤーたちは一斉に鬨の声で応えた。

キリトがじっとヒースクリフを見ている。

恐らく、この男の磁力的なカリスマ性に舌を巻いているのだろう。


ヒースクリフはキリトの視線を感じ取ったのか、此方を振り向くと、かすかな笑みを浮かべた。

「キリト君、今日は頼りにしているよ。

(二刀流)、存分に揮ってくれたまえ。

サイト君とアスハも、期待しているよ。」

アスハニコリと微笑み頷く中、俺は適当に彼をあしらう。

低くソフトなその声にはわずかな気負いも感じない。


まぁ、当然といえば当然だが。


キリトも無言で頷いたのを確認したヒースクリフは、再び集団を振り返り、手をあげた。



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