出会い
【はあぁぁぁぁー】、パリーンこの消滅エフェクトにも見慣れたものだ。まるでガラスが割れるかのように人もモンスターもアイテムも消滅する。
デスゲームが開始されて2ヶ月が経過した頃、サイトは自らの境遇を隠す意味もあってあまり攻略には参加しようとはしない。普段は迷宮区のマッピングをしたり、その能力を生かしてボスの情報を集めたりして情報屋に売ったりして過ごしていた。
今日もいつもと変わらないように迷宮区をうろついていたら、
【きゃぁぁぁぁぁぁ、いやーーーーー】
突如甲高い悲鳴が聞こえた。サイトは悲鳴のしたほうに走った。
見ると1人の女性プレイヤーがゴーレムに襲われていた。よく某RPGでも出てくるモンスターで、さほど強力ではないが、その女性プレイヤーの装備ではすこし厳しいものがあった。とりあえずサイトはその女性プレイヤー助けた。
そして、ポーションを渡してHPバー回復させた。
【あ、危ないところを助けていただきありがとうございます。私アスハって言います。】
女性プレイヤー=アスハはお礼と自己紹介をした。
とりあえずサイトも自己紹介をすることにした。
【俺はサイトだ。よろしくな。こんな最前線でいったいなにをやっていたんだ?】
サイトは柔らかい口調で尋ねた。
アスハはすこしだけ、体をビクつかせながら
【この世界に囚われて、怖くて、苦しくて、それで現実の私の時間がこうしている間にも減って行っているの思う……つらくて、苦しくて、………】
若干つらそうになりながら説明しているのを見てサイトは反応に困った。
【けどな、アスハそれならこの世界で時間失うんじゃなくてこの世界でもきちんと生きていけばいいんじゃないか?失うんじゃなくてこの世界でも時間を刻むんだ。少なくとも俺はそうするようにしている。】
サイトは今自分が言える精一杯の言葉をかけた。
【で、でも、】
【1人が辛ければ俺が一緒に背負ってやる。だから無茶なことはやめるんだ。いつかはこのデスゲームだって攻略される。生きてさえいれば、きっとなにかあるはず。現実にもこの世界にも生きたいのに生きることができなかった人はいるんだ。けど、そなたは生きているだからその命を粗末にすることだけはしてはいけない。】
一度死んで転成したサイトの言葉には目に見えない重みがありアスハもそれを感じ取っていた。
【う、うん///。ありがと。それで、い、いっしょに背負ってくれのよね?】
【えっ?】
(勢いでとんでもないことを口走ってしまったー。)
しかし、時すでにおそしの状態で、アスハは顔を赤らめながらサイトのことをみていた。
【よろしくね?】
【あ、ああ。】
その日から二人はパーティを組むことになった。
後のサイトにとって大切な相棒になるのにはまだきづいてはいなかったサイトであった………