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「あ、そういえばサイト君って本名なんていうの?」
そうだすっかり忘れてた……
「俺は彩斗、彩斗・クロスフォードです。年は17歳。」
彩斗は微笑みながら言った。
「私は結城明日葉です。年は同じ17歳です。よろしくね」
明日葉もウィンクさせながら自己紹介をした。
あとはキリトとアスナにも挨拶をしなくちゃな……
でもアスナはたしか……
分かってはいるけど、やはり受け止めたくない現実だ。
明日葉に聞かされた、姉である明日奈がまだSAOから帰還していないことを。
ーーーーーーーガラガラ。
また扉が開いた。
そこに立っていたのはかつての友であり明日奈の最愛の人物でもあるキリトだ。
「さ、サイト……お前生きてたのか?……」
キリトは入ってくるなり早々驚いている様子だ。
ちなみにキリトが明日葉の病室に入って来たのは明日奈と明日葉が同じ部屋で入院しているからだ。
「俺も帰って来れたんだ…」
「そ、そうか、よかったな」
「でもまだ明日奈さんが目を覚まさない……」
SAOがクリアーされてからすでに2ヶ月。明日奈はまだ目を覚まさない。
サイトはこの2ヶ月のあいだは衰えた筋肉を元に戻していた。
もともと高い身体能力のおかげでサイトは脅威的な復活を遂げた。
そして今日、最愛の人物である明日葉に会いに来たのだ。
またキリトも同じらしくこの場所は例の菊岡から聞いたらしい。
「それと俺はサイトじゃなくて、彩斗・クロスフォードだ。読み方は結局サイトなんだが……」
「自己紹介がまだだったな、
俺は桐ヶ谷和人、16歳。」
「和人か、いい名前だな。」
「彩斗こそ、クロスフォードってハーフなのか?」
和人はすこし驚きながら尋ねた。
「ああ。イギリスと日本人のハーフだ。」
明日葉もそれには驚きを隠せずにそうなの?と質問攻めをしていた。
〜〜〜♪♪
和人の携帯がなった。
和人は送られてきたメールを開いた。
「……こ、これは‼」
和人の顔つきが突如変わった。
「どうしたんだ…?」
彩斗の問いかけに答えるより早くメールに添付されている写真を見せてきた。
「この写真は‼」
すこしぼやけた写真だが、そこに写っていたのはまぎれもなく明日奈だ。
鳥籠のようなものに入れられているがまちがいない。
「エギルに詳しい話しを聞いたほうが良さそうだな。」
「そのつもりだ。」
「明日葉、動けるか?」
明日葉は一応リハビリの為まだ入院をしていたのだ。
「ええ。大丈夫よ。私も聞きたいわ。」
「分かった。じゃ行こう。」
とりあえず明日葉は余所行きに着替えてもらい、病院を後にした。