小説『ソードアートオンライン~1人の転生者』
作者:saito()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

44

「「リンクスタート!」」

2人の意識はゲームの世界に落ちていく。

サイトは目を開けるとそこはキリトがもうすぐ落ちてくるであろう場所にいた。

一方のキリトはといえば……

「なになに、種族か、これだな。」

そう言ってキリトは原作通りスプリガンを選択した。

ちなみにサイトのアバターは種族はダークエルフだ。得意な呪文は闇魔法だ。

闇魔法と一言で言っても様々な種類がある。

主なものには、攻撃と幻惑だ。

特に幻惑には倒したことのあるモンスターを傀儡として召喚したりできるし、自らの姿を闇に溶け込ませゲーム時間が夜か暗い場所でならプレイヤーの姿を完全に消すことができるのだ。

だが弱点もある。

それは光魔法と炎魔法に弱いのだ。

物理的な戦闘能力には差がないのだが光に弱いので基本的には夜間でしかその能力を発揮できない。

昼では滞空時間も夜の半分ほどしかない、羽休めも他の種族より倍の時間かかる。夜は他の種族の倍滞空でき、羽休めも半分でいいが。

それと本拠地がないことだ。

これがダークエルフの特徴だ。

これがアルブヘイムでの俺だ。

わかったかな?

ーーーーーーー

そういえばここって確かSAOのコピーサーバーだったよな……


それならサイトは自分のアイテムストレージからあるものを取り出した。

それは一つのペンダントだ。

先端には涙のような形をしたクリスタルが取り付けられている。

そうレイの心だ。

ちょんと触るとクリスタルは光を帯その中から1人の男の子が現れた。

「レ、レイ……」

おそるおそる呼びかけるとレイはゆっくりと瞼を開けてニコっと笑った。

「パパ!パパですね?」

「ああ。レイ……」

サイトはレイを抱きしめた。

感動の再開をしていい雰囲気が漂っているが長くは続かなかった…

「うわあぁぁーー」

上から飛んでもない大声で人が降ってきたのだ。

その人物は紛れもなくキリトだ。

せっかくのいい雰囲気が台無しだ

「キリト大丈夫か?」

サイトは地面に倒れているキリトに手を差し出した。

「ああ。すまない。」

キリトはサイトの手をとりながら立ち上がった。

「それにしてもいったいなんだ?
本拠地ってとこにワープするとかいっておきながら変なとこに飛ばされるし」

キリトが愚痴をこぼしている。しかしレイがいるのを見て驚いたようだ。

「な、なんで、レイが?」

「ああ。理由は後で説明してやるからキリトもユイを呼んでやれ」

キリトはストレージを開きユイの心をオブジェクト化してユイをよびだした。

「パパ!」

ユイもキリトに抱きついた。

「ユイ、サイトいったいこれはどういうことなんだ?」

「ここはアルブヘイムの中だが、基本的なシステムがSAOのコピーサーバーなんだ。」

「どうしてそんなことがわかるんだ?」

「それはですね、私がこの姿で存在できるからです。」

ユイはあの頃と同じ背丈でキリトにハキハキと説明した。

「ついでにだ、ステータスを見てみろ」

そこには始めたばかりのプレイヤーとは思えない数値が表示されていた。

「SAOのセーブフォーマットがALOと同じだからそのまま読み込まれたんだ。」

「これじゃ本物のチーターだな」

キリトは苦笑いしながら言った。

「別にいいだろ?今回はゲームを楽しみにきたんじゃなくて明日奈さんの救出だろ。強いに越したことはない。目的を達した上でまた1から遊べばいい。」

「それもそうだな。」

「ユイ、レイ、ここには明日奈がとらわれているかもしれないんだ。」

「ああ。だから俺たちは真実を確かめるために世界樹に行くんだ。道案内頼めるな?」

「「はい!!」」

2人は声を揃えて返事をした。

「ところでユイとレイはGMの管理者権限は使えるのか?」

「それは無理です」

ユイが残念そうに言った。

「私たちにできるのはマップから現在地を知るのと近くのプレイヤー反応やモンスター反応を感じ取るくらいしか」

「今回僕たちはパパたちのナビゲーションピクシーという分類なんだ」

レイも顔をうつむかせながら言った。

「気にするな、2人といっしょにいられるだけで十分だ。」

「ああ。そのとおりだ。」

2人の言葉で子供たちは元気をだした。

そしてナビゲーションピクシーの姿に変えてサイトとキリトの肩にちょこんと座った。

-44-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




ソードアート・オンライン エリュシデータ (キリト) イヤホンジャック
新品 \4200
中古 \
(参考価格:\1890)