73
「うぅ……………………」
俺は目を覚ました。
朝日の光が眩しい、俺はベットに寝かされている。
手には明日葉のぬくもりが。
どうやらずっとそばにいてくれたらしい。
俺は体を起こし明日葉の頭をそっとなでた。
すると明日葉が目を覚ましたようだ。
「ん……彩斗君!よかった!
気がついたんだね!」
そういって、明日葉は抱きついてきた。
「明日葉、心配かけたな。」
「もう、ほんとに君は……」
明日葉は嬉し涙を流している。
俺はそんな明日葉に応えるためにそっと唇にキスをおくった。
「………ごほん。
彩斗、明日葉、邪魔して悪いが問診だそうだ。」
「そうよ、明日葉ちゃん、彩斗さんは重症なのよ。
それに、病室でそういうことはなしだよ?」
「「……………///」」
俺たちは言葉を失ってしまった。
「彩斗さーん、血圧はかりますねー。」
その場の空気を一気にぶち壊したのは昨日受付をしてくれた看護師さんだった。
「ところで、俺は?」
俺はあのあとどうなったか尋ねた。
「彩斗、お前死にかけだったんだぞ!
幸い、傷は内臓にまでたっしてなかったが、出血がひどかったんだ。
先生が言ってたぞ、一歩間違ったらお陀仏だったって。
それに、生きてるのが奇跡だともな。」
「ほんとに君は......」
「彩斗さん、あんまし無茶しないでくださいね?
もしものことがあったら明日葉ちゃんが悲しみますから。
それに悲しませたら許しませんよ?」
俺は3人から叱責をくらいながらも無茶はしないようにと心に固く誓った。
その後は順調に回復をし、俺は明日奈が退院する時に一緒に退院をした。