小説『ソードアートオンライン~1人の転生者』
作者:saito()

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【珍しい組み合わせ】


今日は土曜日で学校は休みだ。

今日は朝から4人で出かけることになっている。

行き先は次世代型の電子機器フェスタだ。

ここに行くことになった決めては和人がインターネットで見つけてきてぜひともということになったからだ。


それに、そのフェスタにはうちのクロスフォード社もブースを設けているからな。


チケットの手配は俺が済まし、関係者ということで入場することになった。



ーーーーーーーーーーー

ザワザワ、ザワザワ、

たくさんの人で会場は賑わっている。

俺たちはそれを横目に関係者入り口から会場に入り。

あちこちを見て回るようにした。

いろいろな企業が出展していて、様々な技術が見られる。

和人はすっかり興奮し新しいおもちゃを与えられた子供のようにはしゃいでいる。


中でも目を引いたのは立体投影の技術だ。

これは広い場所で映像を投影すると360度にその風景が広がり、そして映像に触ることができるのだ。

さらにすごいのはその映像のものを食べることができるのだ。

専用のメガネをかけるとそれに触れて口にした時に擬似的に信号が脳に送られ味覚や触覚、嗅覚、視覚、聴覚の五感に作用する仕組みらしい。

もちろん、擬似的だが満腹感も得られるようになっている。

この技術はVRMMOの技術を応用したものである。

これによって、普段はなかなか食べられないの食材でもその味を知ることができるし、貴重な文献の中身を見たり、危険でいけない場所を見たりすることができる。

ただ、消費する電力が大きすぎるためまだ実用化や量産化は先とのことらしい。

それでもすごい技術にかわりはないと俺たちも心底驚いた。

次はうちのクロスフォード社である。

クロスフォード社はAIの現実的具現化がその主なものである。

レイとユイの端末も今回のブース出展の品のプロトタイプである。

端末から立体投影され現実世界にその姿を写し、動き回ることができるのだ。

逆にその端末から別の端末に直接アクセスしたりと結構な優れものである。

クロスフォード社のブースも大盛況で会場は熱気に包まれている。

俺たちは一通り会場を見学したので一旦お昼にしようとなった。

ちょうど来場客も同じことを考えたのか、会場から出て行こうとする人が結構いるのが分かる。


俺たちもその波に乗って外に出たのだがそこでトラブルが起きた。


人波に巻き込まれてはぐれてしまったのだ……

俺は幸い明日奈といっしょだった。

残るは和人と明日葉である。

「彩斗さん明日葉ちゃんに連絡お願いできる?

私は和人君に連絡するから」

「ああ、分かった。」

俺と明日奈はそれぞれ携帯端末をとりだし電話をかけた。


「もしもし?あ、明日葉?今どこか分かる?

それと和人はいっしょにいるか?」


「うん。和人さんといっしょだよ。

私たちはまだ会場の中だよ?

彩斗君たちは?」

「こっちは会場から出たとこだ。

ちなみにここには明日奈もいっしょだ。」

「分かった、じゃそっちに行くね。」

「了解だ。

会場のメインゲートを出たとこで待ってる。」


俺は確認を終えて電話を切り明日奈に話しかけた。


「どうやらあっちもいっしょらしいな……」


「ええ、そうみたいね。」

「メインゲートを出たとこすなわちここで待ち合わせにしたから時期にくるだろう。」


「そうね。待ちましょう。」


彩斗&明日奈SIDE

「「………………………」」

沈黙が辛い………

今までいっしょにいたとはいえ2人になることはなかったからどう話していいか分からない


「ねえ、彩斗さん、………」


明日奈が沈黙に耐えかねたのか切り出してきた。

「ん?どうした?」

「単刀直入に聞くけど、明日葉ちゃんと結婚したい?」

「え…………?」

いきなりすぎる質問に俺は頭がフリーズしかけた……

「い、いきなりどうした?!」

「お父さんがレクトの危機を救ってもらって以来、
[あの彩斗君を明日葉か明日奈の婿にするぞ!]

っていつも言ってるの……」

「彰三さんがそんなことを?」


「ええ、明日葉ちゃんも彩斗さんのことすごく大好きみたいだしどうかな?

今珍しく2人だから聞いてみようと思って……」

「そ、そうか……、結婚か、まあ縁談の話はいくつもあるんだ。

いろんな令嬢とかとの」

「やっぱり、そういうのあるのね」

「ああ、一応これでも社長だからな……

けど、俺はそんなお見合い結婚なんてする気は毛頭ないんだ。

見ず知らずの人と政略結婚するなんて真っ平だからな。」

「そうよね。結婚は大きなことだもんね。

私はね、いつかこの現実で和人君と結婚して幸せな家庭を築きたい。」


「そうか、そうだよな。

もし、明日葉が俺なんかでもいいと言ってくれる日が来たら……」


「そっか、そしたら私はお姉さんになるんだね。」

「ははは、そういうことになるな」

ハックション、

明日奈がくしゃみをした。春とはいえ、今日は気温がすこし低いのである。

俺は自分の羽織っていた羽織を明日奈の肩にかけた。


「あ、ありがとう。」

「気にするな。貴重な話のお礼だ。お姉さん?」

最後に鎌をかけるように言いお互いに笑いあった。


彩斗&明日奈 SIDEOUT


和人&明日葉SIDE


電話を切り私は和人さんに話しかけた。

「どうやら彩斗君とお姉ちゃんはいっしょにいるみたいですね。」


「ああ、俺も明日奈から聞いた。

もう2人は会場から出たようだな。

俺たちも急ごう。」


和人さんに先導されて私たちも会場をあとにした。

道中、珍しい組み合わせになり無言状態になってしまい、辛くなった私はあることを和人さんに尋ねた。


「あの、和人さん?聞いてもいいですか?」

「ん?どうした急に?」


「和人さんはお姉ちゃんのどんなとこが好きなんですか?」

「え?!あ、………その………


っていきなりどうしたんだ?」

突然の質問に戸惑ってしまった。

「だって、気になりますし……」


「そ、そういう明日葉は彩斗のどこがいいんだ?」

「彩斗君は、かっこいいし、優しいし、料理も上手だし///」

「まあ、あいつは女子からの人気はピカイチだからな。

この間、直葉が言ってたよ。

ちょっと渋谷なんかを歩けばあっという間に注目を集めるって」


「はあ………」


「どうしたんだ?ため息なんて……」

「だって、私、彩斗君に釣りあえてないきがして………」


「大丈夫だ。心配するな。

あいつは明日葉にベタ惚れだから。」

「え?!///」

「おっと、これ以上は彩斗に聞いてくれ。」


「ん………、で和人さんはお姉ちゃんのどこを?」


「えっと、だな。

その、一途なところと家庭的なところかな……」


お互い、照れながらもパートナーの長所を出し合い会場外へと歩いていってる。

会場を一歩でたところで明日葉がくしゃみをした。

中と外とでは気温にすこし差があり寒かったのだ。


和人は自分の羽織りを明日葉の肩からかけた。

「あ、ありがとう。」

和人&明日葉SIDE OUT


「あっ、2人が来たみたいだよ!」

隣に立っていた明日奈がいち早く2人に気がつき手を振っている。


「おーい!」

2人も手を振りながらこっちに歩いてきている。


「「あっ、………」


明日奈と明日葉が同時に互いの肩に目がいった。


「どうして、彩斗君の服を?」

「明日葉ちゃんこそ……」


「「んじゃ、変えっこしよっか?」」


2人の乙女は肩の羽織を交換し、それぞれの持ち主のところに行き言葉を交わした。

「「で、どういうことか説明してもらいます!」」

俺と和人はそれぞれ明日葉と明日奈に引っ張られていってしまった………


事情説明に時間がかかりそうだ……


ため息をつき俺は諦めて明日葉ついていくのであった。

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