小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「なんだよ…ほぼ確定じゃねぇか…まあその話はいい。とりあえず今回の事件を先に解決しないことにはな。ところでだ。あんた、この殺人はpoison factoryの仕業だって言ってたよね?その根拠は?」
すると、また井原の後ろに隠者が現れた。このことを視野に入れると、わからないことが多いらしい。
「そこだよ。今回のメインだ。今までのあいつの犯行、そして今回の事件…共通点があるんだ。それも、あいつのこだわりなのか知らないが…」
「…共通点?何よそれ。」
「あんた、刑事でしょ?それくらいわかろうよwまず、一般メディアにも公開されてるpoison factoryの殺人の特徴…これくらいは答えられるよね?」
来井が尋ねるとそれを鼻であしらうようにした井原は来井に一歩近寄った。
「…フッ。あんたなめてんの?それくらい答えられるっつーの。」
「おお、そうかい!じゃあお聞かせ願いたい。その共通点は?」
「もちろん、毒によって人を殺すこと。あと、殺人予告状が被害者の手に渡ったあとで犯行を行うこと。でしょ?」
「はい、正解wよくできました。ちなみに捜査に当たって注意すべき点もあったよね?」
「…poison factoryを装った偽物のことかしら?」
「はい、正解wよくできました。だから今回一番怪しい青田を逮捕したんだもんね。それじゃ、次のレベルに進むよ?」
「次の…レベル?」
井原は先程近づけた足を元に戻し、驚いた顔で来井を見つめた。
「何よそれ。もしかしてゲーム気取ってたりしてんの?」
「それはあんまり意識してなかったけど…まぁいいやwすこし質問が難しくなるからね。じゃ、聞くけどさ。本当に共通点は二つだけだったのかな?」
「…言ってる意味が理解できないんだけど?」
「そうか…これは知らないのかな?poison factoryの共通点、一般公開された二つに加えて、もうひとつあるんだ。俺の情報網によると、これは警察の上部しか知らないみたいだね…だから模倣犯かどうかはこの点で付けれるらしいんだw」
「何よそれ。なんであんたがそんなこと知ってるのよ?」
「今それはどうでもいいんじゃないかな?とりあえず、あんたは知ってるの?三つめの共通点。」
「…そんなの初めて聞いたわよ。」
「そうか…じゃ、知っとくといい。三つめの共通点…それは、飲み物に入った毒によって被害者が死んでいること。それもただの液体じゃない。炭酸が入っている飲料に毒が入っているんだ。」
「炭酸水?そんなのたまたま今回の事件で起こっただけじゃないの?」
「今回のパーティーはお茶会だったはずだよ?普通それだったらお茶に入れるのが効率いいんじゃないかな?なんでわざとワインにしたのかなぁ?犯行の種類には『快楽殺人』っていうのがあるよね?それは自分を主張する犯行だったはず。あいつはその快楽殺人者だったはずだ。それだけそろってて、まさかこの事件は偶然なんて面白いこと言わないよね?そう、今回の事件は確実にpoison factoryによる事件なんだ!」
…隠者は燃えた。そしてそれと同時に空間は音を立てて割れた。

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