小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―パーティー会場 花茂芽―
「フフフ…アハハハハ!そう、そういうことなのね!アハハ」
井原は来井の言うことを素直に理解したように、そして狂おしく笑った。
「あら?珍しいね。あんたがそんなにすんなり認めるなんて。」
「でも考えられないことじゃない。それに前の事件でもそうだけど、間違ってなんの罪も無い人を逮捕するとことだったし。私もまだまだなのね…あんたごときに負けるとか。」
「…最後は憎まれ口なんだねwあ、ところで青田は?」
「パトカーの中よ。下の奴に言って釈放させるわ。」
「…まずい。キャラの立たないあいつが出てきたら…ま、いいかw」
「あのさ、来井。ちょっと…ええ?」
苦笑いの来井に話しかけた神威の目は本気だった。
「そのポイズンファクトリー?本当に俺知っとんの?」
「あら?あんた知らなかった?まあ仕方ないかwじゃあ…毒攻防(どくこうぼう)って言ったらわかるかな?」
「…!あいつ…が?でもあいつのブログ何もおかしなかったで?俺ずっと読んどったけど…そんな毒の事とか無かった。あったら気づいとるしなw」
神威は毒攻防という名前には反応したが、poison factoryについては知らなかったようだ。
「そうだねwそれはあんたの読んでるブログだからだ。大場は気づいてるんじゃないの?」
来井は顔に謎の笑みをふくみながら大場に尋ねた。
「…?何が?」
…どうやら彼は知らなかったようだ。それを悟った来井はあからさまに残念そうな顔をした。
「あらら…大場も知らないか…じゃ、見せてあげようwどうせだから井原も見たらいいよw正治。」
来井に呼ばれた正治は、待ってましたと言わんばかりに自分の携帯をいじり始めた。
「…このページだったよね?」
「そうそう、これw正治は知ってたんだねw」
「まぁ俺、テレビでも何回か出てて気になって調べただけなんだけどね。」
笑いながら正治は来井に携帯を渡した。
「そう、神威と大場が見ていたページとは違う。このページは見たことないよね?」
そういうと来井は確認するように大場と神威に携帯の画面を見せた。
「なにこれ?」
「俺も知らん。」
「そうか…これはね。poison factoryのブログのタイトルにある【か】の右上の点をクリックすると出てくるページなんだけど…まあそんなとこ見ないよねw中身を読んでごらん。」
私達は一斉にその画面を見た。神威と大場はそれほど動じていなかったが、井原は奇声を発しながらどこかへ走っていった。私も少し気分が悪くなった。
そこにあったのは、大きく目を見開いた死体…だらしなく舌をダラっと出した死体…中には生きている人間ではありえないような奇妙な体勢をとった死体等、数多くの死体の画像が張り付けられていた。そしてその死体の近くに置いてあったのは、今回の事件でも見つかった殺害予告状だった。

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