「…それでなんだけど、椿さん何か事件についてご存知ない?」
「それがねぇ…私達も事件のこと聞いてすぐ出てきたからよくわかんないのよ…ごめんなさいねぇ」
「そう…今日はどうも。お時間取らせて、ごめんなさいね。」
「いえいえ、いいのよ。私も最近話す人居なくて暇だったから…」
…話は終わったようだ。私達は二人に軽く頭を下げ、控え室を後にした。
―パーティー会場 花茂芽―
話を聞いたあと、なぜか私たちは会場に戻ってきていた。
そこにあった丸い机を私たちは囲むように座っていた。机の上には英国風のティーセットがあり、塔のようなものにはマカロンやスコーン等が沢山積んであった。
「…で?そろそろ聞かせてもらおうか、神威よ?」
「…はぁ?」
一口紅茶を飲んだ来井は真面目な顔つきで神威と向き合っていた。
「隠し事…してるでしょ?」
「隠し事なんかしとらんよ?」
「フフ…それ、嘘だろ。お前、俺のタロット知ってるよね?てか話したよね?」
「…!運命ノ…輪…?」
一瞬動揺したように見えたが、見間違えだろう。神威が嘘をつくわけがない。ついても彼女にメリットはないはずだ。
「そうだ。そんな俺に嘘がつけるとでも?」
「…せやから嘘なんかついてない言うてるやろ!もうええ加減にしてよ…」
「じゃ、試してみるかい?」
そう言うと来井は立ち上がり、一枚のタロットカードを地面に落とした。すると空間は一変し、真っ赤な壁が目の前に現れた。