小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「…それで。お前の自信はどっからくるわけ?」
「ああ…それはこれだよw」
そう言うと来井は一枚のカードを神威に向けて投げつけ、それは彼女の胸に刺さるように入っていった。
「う…な…な…なんじゃこりゃぁ…」
胸を一回押さえて、その手を見て呟いた。
「違うだろw」
「うん、痛くないけど…なにこれ?」
「痛いわけないだろwそれはtime of moon。お前の心に入って、記憶と心情をそのまま移すカード。コイツを使えば…ってわけw」
「じゃ、いつも最初からそれ使えよw」
「ダメなんだよ…これ死ぬほど疲れるからあんま使いたくないんだよねぇ…」
…そんな最終兵器があったとは…今度あいつにタロット全て聞いておくか。
「…じゃ、はじめよか。time of moon…!」
そういうと空間は色が変わり、闇夜に照らされるように壁に丸い月が現れた。

その月にはある映像が映し出された。トイレから出てくる黒いパーカーのフードを顔が隠れるまでかぶった人物がこちらに向かって歩いてきている。
『あ、師匠!どうしたんですか?』
『ああ、神威さん。何ってトイレだよw』
『そうですよねwそれにしても…何故嫌に深々とフードをw』
『…なんでもない。』
そう言うと月の中のフード…大場はその場を去った。

「…これかな?あんたの隠し事。」
「…なんのことか知らんなぁ?」
神威は白を切っている。
「俺コイツ知ってるよwていうか当たり前だけど、あんたも知ってるはずだよね?」
「…」
ついに黙り込んでしまった。
「そうだねぇ…近くにいる…花茂芽。あんたもわかるよね?これとおんなじ服装の奴。」
「この人…もしかして…?」
私は椅子にどっかりと腰をかけている大場に目をやった。
スニーカーにジーパン、そして上には…
黒いパーカー。
「…大場…君?」
「…ご明答。あんたはこれを見た。そして事件を知った…で事件の関連性を…悟った。」
「そういうこと…やね。」
神威はうつむき、そう答えた。
そしてその言葉を確認したように、空間は元の会場に戻っていた。

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