小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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…とはいえ、このまま進展がないのもいかがなものか。
そう思った俺は井原にある提案をした。
「なぁ井原、ここの証拠ももう出尽くしてるだろうから他の人に話を聞きに行くっていうのは…」
「ああ、いいですよぉ〜?それで誰のところへ…」
「それはお前の方が詳しいだろ?」
「そうですねぇ…そういえば犯人を見たっていう人が居るんですけどぉ〜…」
犯人を見た。重要な証人となりそうだ。
「その人に話を聞くことは出来るか?」
「ええ、一応この式場内にいるようには言っておきましたが…探しますかぁ〜?」
「…そうだな。探そう。あと井原、少し頼まれてくれるか?」
「なんですかぁ〜?」
井原は軽く首を傾げて微笑んだ。
「poison factoryの事件について調べて欲しいんだ。今までの事件を。何か法則性が…」
「…つまりぃ〜私は省けですかぁ〜?」
「そうなるな。ま、終わったらまた来てよ。俺らはその人探すから。」
「…ひどいですぅあなたは私を分かってくれると…」
「…見当違いだったようだな。だが、その働きはいいと思うぞ?役に立つだろうから。」
「…は〜い…」
そう言うと井原は現場を出ていった。
残る問題は…だ。この無口な青年、青田をなんとか…
「…井原さん、ええの?」
「人の心配より自分の心配したほうがいいよ。犯人がここにいたとき、俺らが死ぬ可能性も考えられるから。」
「…うん。」
「それじゃ…さがすか。青田。」
「ああ…うん。」
口数が嫌に少ないのも嫌だが、井原よりはましだ。
俺は青田と現場をあとにした。

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