小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

―廊下 花茂芽―
廊下を歩いていると正治と青田に出くわした。
「あら正治。何かあったの?」
「いや、なんだって訳じゃないんだけど…暇になったから事情聴取でもって思って。」
「そういや井原は?」
「ああ、井原はちょっと調べもの。」
「ふ〜ん…で、事情聴取て誰探してんのよ?」
「ああ、事件の目撃者らしいんだけど…女って言うのしか手掛かりがないらしい。」
事件を目撃した…女?
「神威さん…それって…」
「ああ、多分俺らが探しとる人やない?しらんけどw」
「なんだそっちも知ってたんだ。それじゃあ合同捜査だね。」
「ああ、うん。わかったわ。…それで、青田君?」
私は青田に声をかけた。
「…?」
「君は…来井を送っていった後どこに?」
「…どういうこと?」
青田は首をかしげている。
「来井を送った後少し間があったよね?それが事件の容疑者になるきっかけになった訳だけど…」
「…それは…」
彼は言葉を濁した。
「花茂芽。ちょっと下がってて。コイツ…」
来井が私と青田の間を遮った。そこでまっさきにその状況に気づいたのは青田だった。
「運命ノ輪かな?」
「…ご明答。本当の事を聞かせてもらうよ。いいね?」

-28-
Copyright ©狂ピエロ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える