小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―廊下 花茂芽―
「おい青田…ふざけるなよ?俺お前と会ってないし…」
「え?おかしいな…ちゃんと会っとるって。話もしたし。」
面倒なことが起きたようだ。
神威は会っていないという大場と会ったといい、青田は会ってないという神威とあったという…
この矛盾はなんだというのだ?
二つの重なる矛盾…何か大きなからくりが後ろで動いているような…
「おい、廊下で何やってんだよ。ていうかお前ら誰だ…?」
神威と青田が話していると、私達の後ろから二人組の男女が歩いてきた。
「ああ、すみません捜査中で…あれ?お二人どこかで…」
その二人組にいち早く反応したのは正治だった。正治はひどく驚いたような顔でその二人を見ていた。
「お二人は…ブルーさんとベリーさん…ですか?動画で顔を見たことが…」
その声に反応したのは来井と神威、そして大場だった。青田はぽかんとしている。
「え!?嘘…ブルーさんとベリーさんってあの?」
「おお、俺らのこと知ってたのか!」
「はい!動画いつも見てます!」
…いまいち話がわからない。しかも食い入るように近づいたのは神威だけだ。
そんなに有名ってことは…
「そんなにってなんだよ!」
来井が怒ってきた。
「だから時折私の心読むのやめてよ!ビックリするじゃない!ていうかあの二人は…」
「多分俺らの探してる人…歌い手のブルーさんとベリーさん。よくコラボしてるんだけど…知らない?」
そもそも歌い手という言葉にあまり馴染みがない私には全く理解できない話だが…
とにかく、事件関係者か。話を聞いておくべきだな。

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