小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「…事件関係者…なのですか?あなたがたは。」
私は尋ねた。見た目から勝手に推測すると、女性はともかく男性の方はいかつい顔をしていて、接しがたい漢字を醸し出していた。
「ああ、俺ら?俺らは色んな動画投稿サイトで動画を投稿してる…BlueBerryだ。で、俺がベリーこと…青芝 実義(あおしば みよし)でこっちがブルーこと青葉 華鈴(あおば かりん)だ。」
「いや、そういうことを聞いたのではなく…」
「事件のことか?誰から聞いたか知らんが、俺は見てない…ぞ?華鈴はどうだ?」
「私は見たよ〜」
「ああ、やっぱりか…え?」
どうやら事件関係者は青葉の方だけらしい。そのことを青芝は知らなかったらしく、ひどく驚いていた。
「すみません。お話をお伺いしたいのですが…よろしいですか?」
「え?なんの?」
「いや、事件のことを。」
「ああ、うん。いいよ〜」
やたらと軽いノリで返事をしてくれた。そして私が話を聞こうとしたときその瞬間だった。邪魔がはいったのは。
「あの、質問いいですか?」
…来井だ。
「やかましい来井。黙ってなさい。」
「一個だけ!ね?」
「…早くしてよ?」
私はイライラした口調でそう返した。
「動画でよくやってる、あの声が変わるやつ、どうやってやってるんですか?」
…ダメだ。私には興味のかけらもない。
「…来井そんなことも知らんの?馬鹿じゃないの?」
だが、来井の声の返事として返ってきたのは大場の声だった。
「多声類。その人たちは多声類って言って、いろんな声がでんの。わかった?」
「…うん。ありがと。」
話…というより説教が終わたようだ。私は青葉に向かい合うように立ち、事件について問いかけた。

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