小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―ロジックノ塔 花茂芽―
この空間に来るのは二度目だが…
ちょっと前に見せられたギロチンのせいで、どうも恐怖心が拭えない…
「…ひとつだけ聞いてもいい?」
「ん?」
「この空間…いきなり私の頭の上に何か落ちてきたりとか…しないよね?」
「…さぁ?」
…こういうときにこいつは困る。
「それで、何から始めるんだっけ…?」
「最初は『きっかけ』。動機だね。これくらいはわかってるんじゃない?」
これはわかる。犯人はpoison factoryだから…
「動機なんてないわ。あいつは快楽殺人者。とりあえず誰でもいいから狙った獲物を殺せればいいもの。」
私がそう言うと、真ん中の台にまず一つ円盤が積まれた。
「…OK。じゃ、次行こうか。事件勃発。これは…」
これも簡単だ。あいつの殺人方法には特徴があったはずだ。
「ワインね。それに毒を盛ったのよ。」
「じゃあなんであの人のワインにだけ入ってたんだろうね?」
「…グラスアクセサリーね。」
「その通り。」
こいつもわかりやすい謎だったわけだ。もうひとつ円盤が積まれた。
「ま、ここまでは簡単だよね…問題は次だ。偽造工作。これは…あったみたいだね。ガラス円盤が積まれない。何か心当たりはあるかい?」
「偽造…工…作…」
そうなんだ。ここが引っかかっていた。
犯人はかなり手慣れた殺人者。そう簡単に捕まるわけではない…ここが踏ん張り所か…

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