小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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私は腕を組み、推理を話し始めた
「この事件の不可解な点…私ずっと引っかかってたのよ。見たっていう人と見てないっていう人…実に面倒で緻密で、計算されたトリックになってたのよ。」
「…ほう?それは神威、青田、大場のことだね?」
「そう。あれこそが犯人の仕掛けたトリックだったのよ。犯人は彼らの真似をすることであの状況を作り出し、事件の真相をウヤムヤにしようとしたのよ!」
私がそう言うと、また塔に一つ円盤が積まれた。
「なるほどね…で、逃亡はできてない。なぜならこの式場はすぐに封鎖されてしまったから、と。」
最後は来井にしめられたが、これで完成したという訳だ…
その証拠に、空間は元の会場に戻っていた。

―パーティー会場 花茂芽―
…では、捜査すべきは…
「隠された、衣装だね。」
「衣装?」
私は来井に尋ねた。しかし帰ってきたのは大場の声だった。
「俺らに扮したなら、犯人は俺と神威さんの服を持ってないとおかしい。そういうことやろ?」
「そうだね〜さすが大場w」
「…」
大場は来井の声に反応せず、ただ携帯ゲーム機をいじっていた。
その横では神威が砂糖を紅茶に馬鹿くらい入れて混ぜていた。
青田はただぼーっとしている。
「…捜査は…私たちだけで十分そうね。」
「そう…だねw」
私は来井と正治に合図を送り、会場を出ようとしたとき…
「…俺を放ってかんといてくれる?」
後ろから声が聞こえた。その声の主は…
神威だった。
「放ってくも何も、あんた紅茶飲んで…」
来井がそこまで言ったところできれいにボディーが入った。
「話…聞いてたのね?」
「はい!俺あなたに会うためにここに来たって言っても過言じゃないんで!」
「…そう。じゃあ…ついてきてくれる?」
「はい!もちろんですわ!」
私は腹を抱えている来井を起こし、4人で捜査に向かった。

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