小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「私、染月 花茂芽ね。よろしく。ていうか…あんたたちどこから来たの?いや、むしろどうやって?」
私は軽く自己紹介した後、神威と青田に尋ねた。
「いや〜どうやってって…やったらできた?っていう感じw」
「あんたたち何なのよ…やったら出来たって…あ、あともう一つ。何で関西弁?」
「なんでって…俺らそっちの人間だし?な、クルクル!」
「だから人のことをクルクルクルクルと…まぁそうだけど?」
とうとう根負けしたのか、来井は神威のその呼び名に返事をしてしまった。
「…あんた標準語じゃない?」
「うるさいねぇ…俺はPC上では標準語なの!現実では関西弁なの!」
そういうことか。ただの気取り…と。
それよりもう一人っていうのが気になるな…まぁ気長に待つか。
「ていうかさ、大場って本当にここ来たの?よくきたね…あいつがw」
「いやね?俺らも頑張ったんだよ?行こうって言っても「はぁ?なんで俺がwww」とか言うばかりで…でもなんとか連れてきたw師匠はあんまり好きちゃうからなぁ〜」
「…お前も紅茶は飲めないんじゃないの?」
「ああ、それ。大丈夫!お砂糖いっぱい入れたからwほら飲んでみる?」
そういうと神威は来井にティーカップを差し出した。しかし、そのティーカップにはありえない点があった。
…ティースプーンが立っている…?
「お前これ…お砂糖入れすぎじゃない?スプーン立ってる…」
「え?普通やに?美味しいから!」
「…じゃあ一つ…」
そういうと来井は刺さったスプーンを抜き取り、紅茶を一回で飲み干した。と、その時だった。来井は突然もがきだし、水は取りに行ってそれをがぶ飲みした。
「カァァァァ…ありえない!甘すぎんだろこれ…」
「嘘やろ?これくらい普通やって…ていうか青田なんで喋んないの?」
すると来井は少し困ったような顔をして答えた。
「…キャラが立たないんだよねぇ…お前らは何となく出来るんだけど…彼は…ね?」
「ああ、それやったらあれやん。適当に作ればいいんやって!国語の先生が言っとったやろ?」
「ああ、奴か…言ってたなwメロスの話で言ってたなwじゃ、作るか…てかこんな話してていいのか?」
「知らんw」
「でもどうやって…ぐふぉ!!」
そこまで言ったところで来井の顔が私の視界から消えた。
その代わりにあったのは…彼らと同じ年ほどの男の足があった。
「うるせえ。何を話してんだか…」
「あ、師匠!おかえりなさい!」
…やっと来たか。この子が来井の最後の知り合い…大場か。

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