小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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―裁きの剣 来井―
「…この空間を信じろって言うの…?」
「信じるも何も、目に見えてるんだから仕方ないでしょ?じゃあ一応説明しとくと…」
「いやよ!こんなとこ…私帰る!」
そういうと青葉は踵を返し、走り出した…が。その努力は無駄なのだ。息はあがるものの距離としては一歩も進めていない。
「…無駄だよ青葉。お前は逃げれると思っているかもしれないが、この空間が解除されるにはどちらかの死亡確認が必要なんだ。」
「死亡…確認…!?」
明らかに動揺している。俺は続けた。
「そう、ここは裁きの剣だ。この空間、お前の頭の上にある物が全てを物語っている。見てごらん?」
青葉はおそるおそる上を見上げた。そして完全に真上を見たとき、青葉の喉を固まった唾が通った。
「わかったか?この空間での処分は死刑のみ。死刑か釈放か…まさにdead or aliveの世界だ。でも大丈夫だろ?お前、殺人犯じゃないんだろ?じゃあ安心してそこにどっしり構えてろ。青葉 華鈴…いや、今は白樺 空輪とお呼びしたほうがいいのかな?」
「…!?」
俺らの命をかけた対決が始まった。

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