小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「俺はお前の言葉に惑わされてたようだ。お前は両親を恐れてた?とんでもない。お前は両親を恐れてなんかいなかった。やはりお前の両親はお前に殺されていたんだ!」
「…は?」
「お前は両親を恐れていた。じゃあ何故家に帰った?」
「…!!!」
…図星か。白樺は今までに見せたことのないような驚きをみせている。
「家に帰ったらそこには両親がいる可能性が高い。それくらいはわかっただろう?お前があれほどまでに両親を怖がっていたなら。」
「…親は死んでたのよ?帰っても大丈夫じゃない?」
「お前動揺しすぎwさっき親が死んだのは家に帰ってからと証言しただろう?」
「…!でも、私には家しか帰るところはなかった。そこへ帰るのは当然でしょ?」
「わざわざ人殺しがいる家にか?病院の方が安全だと思うが?…お前が帰った理由はそうじゃない、だろ?」
「…なんのことかさっぱりね。」
「もう逃げられないよ。お前は証拠隠滅のために帰った。そう、両親を殺した証拠をな?だがよく考えると証拠隠滅より確実な方法を思いついた。自分が自分でなくなれば…そのためにお前は家にあるお前に関する…白樺空輪に関する写真やその他諸々を隠滅した。白樺 空輪を謎の人物にするために!」
「そんなのただの妄想よ!第一私が私に関する資料を消した?ばかなこと言うんじゃないよ!わざわざそんなことしなくても被害者のフリをしていればなんともなく過ごせたでしょう?」
「…もし、お前が精神的にまいってたとしたら?」
「…どういうこと?」
「俺の仮説はこうだ。お前は両親を殺し、自身も気を失った。そして目を覚ました時、お前は二つのことを心配した。ひとつは人を殺した罪、そしてもう一つは心の隅に小さくたたまれた親に対する愛情…これがお前を家に向けた原因だ。お前は家に帰り、親と自分の思い出になる写真等を消してしまおうといろいろ努力した。そしてその時に白樺空輪を捨て、poison factoryになることを決心した。その邪魔になるお前に関する資料を全て消したんだ!」
「…さすがね。たった一つのほころびからここまで行くとは思わなかった…」
「…認めるんだね?」
「ええ、ほとんどね。確かに私は両親を殺したわ。でもだからpoison factoryだって証拠はないでしょ?次はそれを証明してみなさいよ!」
…そう言えば忘れていた。今回の事件は亜降の事件だ。それを明らかにしなければ…

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