小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「…ふーん…で?」
白樺は反撃をしてくるようだ。だが今更反撃など…
そうタカをくくった俺は、実に甘かったようだ。白樺の次の一言は俺を一気に追い詰めた。
「その証拠はどこにあんのよ?」
「…!!」
「まさか、状況証拠なんて冗談はないよね?あんたの妄想とかw」
…やられた!話を急ぎすぎたか…確かに証拠はない。単なる俺の…妄想だ。
「そもそも。仮に私がそのpoison factoryだったとして、毒はどこから手に入れたっていうのよ。亜ヒ素なんて、私農業やってないから手に入れるのは不可能よ?」
まずい。話は一気にあいつのペースだ…どんどん手駒を取られていく…
まさか…チェックか?
いや、待て。落ち着くんだ。俺は手を左胸に当て、心拍の加速を食い止めた。そうだ落ち着け。今はあいつのペースだ。それに乗るのも…ひとつのセオリー。俺は白樺の話についていくことにした。
「そう…だな。すまない。お前を追い詰めることに精一杯になっていたようだ。」
「…フン、ようやく分かったようね。私にはこの犯行は無理なの。真句夫妻に化けるのは不可能、そして毒を手に入れることもね。そもそもあの狭い控え室に隠れることができないってわからなかった?」
セオリーとは言え…今回の話にはヒントが少なすぎる。話に矛盾点がひとつもない、詳細まで一切間違いなく…まぁご丁寧に。
…ん?おかしくはないか?本当にコイツがただの通りすがりならば…
そうか、わかったぞ!ここが突破口ならば…一気に追い詰めることができるはずだ。
さぁ…あいつの命もあと残りわずかだ。…畳み掛ける!

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