小説『二杯目のミントティーは誰のため?』
作者:狂ピエロ(カガク生活)

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「…!!何よ…これ…」
私は青葉に駆け寄り、手首を掴んだ。だが…その手は冷たく、脈を打っていなかった。
「まさか…死んどる…とか?」
青田がぼそぼそと呟いている。神威は死体に躓いたのがそうとうビックリしたのか、無言のままその場に座り込んでいる。大場と井原はその場にそのままその場所にたたずみ、青芝は数十秒固まったあと青葉に駆け寄り、抱きしめた。
「おい…起きろよ。なぁ…起きろよ…何でなんだよ…」
あまり多くは語らず、ただそれだけ言って涙を流した。
だがそんな私達をよそに、来井は青葉のズボンのポケットに手を入れ、何かを取り出した。それは白い粉末の入ったプラスチックの容器だった。
「多分…さっきの話で大場が全部知ってると思って消そうとしたんだろうな。だけど…自分が死ぬっていうね。罰だ。これは神から与えられた罰なんだ…」
来井はそれだけ言い、井原にその容器を渡した。
「これ…青葉の解剖のついでに調べといて。俺の推理が正しかったら…これは亜ヒ素だ。」
「え!これが…亜ヒ素ですかぁ〜?じゃあ犯人も…」
「ああ、コイツだ。俺がコイツに容疑を認めるように話すといきなり倒れて…それで…」
じゃあこいつは最初から…
青葉が犯人だと分かっていたのか?
「とりあえずぅ鑑識さんに運んでもらいますねぇ〜青芝さんもいかがですぅ?」
「ああ…俺もついて行くよ。」
しばらくして鑑識さんが来て、井原と青芝と共に現場を去った。

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